仕事をしない管理職の重たい腰を動かす4つの方法 

「アリとキリギリス」というイソップ寓話を覚えていますか?

食料がなくなる冬に備えて働いて食料を確保するアリと、バイオリン片手に歌を歌って働かずに冬を迎えるキリギリス。

夏の暑い日もせっせと働くアリをみて、キリギリスは夏を楽しまないで働くアリを馬鹿にしていますが、冬がくると食料がなくなってしまい、温かい巣の中で食事を楽しむアリを見て、食料確保のために働かなかった自分を後悔する話です。

この話から得られる教訓は「自分の将来を考えず根拠なく仕事しない人は、後で苦しむことになる」ということです。

あなたの会社には、周りから「仕事しない上司」のレッテルを貼られている中間管理職はいませんか?

結果的に成果を出し業績がよければ、仕事しなくても大目に見ておこうという時代もありました。しかし、それで部下の育成はできるのでしょうか?

挑戦・実践を継続するために、常に考え創造している中間管理職と、挑戦よりも現状維持を、実践よりも管理を重視し、創造が生まれず停滞している中間管理職では、どちらが部下の育成に貢献しているでしょうか?

管理職のポジションは本来尊敬されるべきはずの存在なのに、部下からの信頼は0です。いざ内情を見てみると、変化を好まず守りに終始し停滞に沈んでいる中間管理職があまりにも多いのです。

そこで今回は、仕事をしない管理職を動かす改善法を解説しています。

それではご覧ください。

仕事をしない上司に気づいていますか

あなたの会社には、周りから「仕事しない上司」のレッテルを貼られている中間管理職はいませんか?

経営層が、仕事をしない中間管理職の存在に気づいている場合はまだいいでしょう。しかし、もし中間管理職の存在に気づいてない場合、早急な対策が必要です。なぜなら、仕事をしない管理職は組織の新陳代謝を悪くしている可能性があるからです。

組織の新陳代謝とは、会社が創造を継続的に行うために必要な要素です。「何を捨てるか」「何をやめるか」「何を入れ替えるか」の「代謝戦略」を明確にし、新陳代謝を適時、適切に行うことで「生きた会社」になるのです。

もし、新陳代謝が悪くなると、挑戦よりも現状維持、実践よりも管理を重視し、創造が生まれず停滞している組織になってしまいます。会社としての成長も止まり、そこからは死んでいくのです。

「死んだ会社」になる事を防ぐためにまずは、経営層が「仕事をしない中間管理職」の存在を把握する事が重要です。そこで、まずは部下や周りにいる人が感じる「仕事をしない中間管理職の特徴」から紐解いていきましょう。

部下が感じる仕事をしない上司の特徴

仕事をしない上司の特徴を現場ではこのように感じています。

  • 上層部の人間にはいい顔をする
  • 責任逃れが上手い
  • 部下からの要望は後回しにする
  • すぐに感情的になる
  • 自分の武勇伝を語りだす
  • 気軽に相談できない
  • 仕事に私情をはさんで人と接する
  • とにかく偉そう
  • 愚痴が多い
  • 話が長い
  • 情報がおりてこない
  • 部下を教育できない
  • 部下に仕事を任せず1人で大変ぶる
  • 部下がしている仕事を把握していない
  • 部下の質問に的確に答えられない
  • とにかくやる気がない
  • 部下の手柄を自分の手柄にする
  • 自分の言っていることが正しいと思いこんでいる

この様な特徴のある中間管理職は、部下や周りの人の気持ちにモヤモヤを与えます。
(あなたの会社に当てはまる中間管理職の上司はいましたか??)

モヤモヤが伝染すると、組織の生産性やモチベーションの低下に繋がってしまいます。

また、部下は中間管理職に何を期待したらいいのか、自分たちは何をどこまでやったらいいのかも、明確にすることができません。

結果的に、部下は仕事に対して受動的になってしまいます。

中間管理職の気持ち

仕事をしない上司がもたらすの特徴が認識できましたか?

組織を率いる管理職と言えども「完璧な管理職」など、どこにも存在しません。管理職も部下たちと同じく、自身の能力不足に向き合いながら、日々悩んでいるのです。

中間管理職が感じるストレスの度合いは、部下や周りの人に比べるととても大きいもの。特に現代の管理職は権威が失われ「上司」と「部下」の板挟みで苦しんでいる存在なのです。

  • ストレスが多い
  • 上司と部下の板ばさみになる
  • 課長としてこれでいいのかと不安がある
  • 忙しく、時間の余裕がない
  • 課長は孤独である

「働き方改革」によって、会社は社員に残業させず、無理を言わず、ますます優しく接するようになっています。(もちろん「ブラック」と呼ばれる会社も一定数あると思いますが・・)

「働き方改革」以前は、全従業員で行っていた業務。残業を無くしたことで、会社全体の業務は逆に減ることはありません。その「しわ寄せ」はどこに来ているかといえば、これは間違いなく残業などの制限がない「管理職」ではないでしょうか。

いままで日本企業の屋台骨を支えていた「責任感ある管理職」が崩れた時、組織がどうなってしまうのか、想像に難くありません。

ここからは中間管理職の気持ちも理解した上で、「仕事をしない中間管理職」になった原因を解明し、解決方法を提示していきます。

「仕事をしない中間管理職」が仕事をしなくなった理由

中間管理職の役職に就いている時点で、会社に貢献してきたことは間違いありません。

では、そこからどのようにして仕事をしなくなったのでしょうか。

その理由は大きく分けて3つあります。

  1. 年功序列で上にあがってきただけだから
  2. 過去の「成功体験」にこだわり「思考停止」に陥っているから
  3. 「挑戦」より「管理」を優先しているから

それぞれ解説していきます。

年功序列で上にあがってきただけだから

現代の評価制度では、能力のある人がどんどん昇給していくケースは珍しくありません。

しかし、少し前までは年功序列が当たり前になっており、能力関係なく昇給していく人がとても多くいました。

年功序列ということは、勤続年数が長く年齢を重ねている人ほど職場での立場が上になっていきます。なので、仕事ができない人・仕事をしない人でも「管理職」になれたのです。

その制度で育った世代の中間管理職は、仕事をしなくても「管理職」が務まる様子を見てきまので、仕事をしなくなってしまったのです。

②過去の「成功体験」にこだわり「思考停止」に陥っているから

管理職にとって「成功体験」があることは大切です。
自分の自信になるだけでなく、自身の経験をもとに部下の育成に取り組む事ができます。

しかし、成功体験には「マイナスの側面」もあります。

それは「思考停止」に陥り、「成功体験を否定することができなくなってしまう」ことです。成功体験を引きずり、変えることで失うものばかりを気にして「現状否定」や「自己否定」ができなくなり、やがて「思考停止」に陥いり仕事をしなくなってしまったのです。

③「挑戦」より「管理」を優先しているから

挑戦よりも管理を優先すると、しだいに「管理意識」が大きな力をもつようになります。

過剰管理になると、本来なら気にかける必要がないことまで気にしてしまいます。あらかじめ対策するために「形式重視」「前例踏襲」という管理体制を肥大化するのです。

リスクを避けて「現状維持」という選択を繰り返し、仕事をしなくなったのです。

重い腰を動かす4つの方法

では、仕事をしなくなった中間管理職の重い腰を動かすにはどうしたらいいのでしょうか。

4つの方法を解説していきます。

①中間管理職研修の実施

自身の現状を注意するのではなく、自ら気づくことが大切です。

交流も含む、中間管理職研修を実施することで、本人の現状に気づかせる機会を生むことができます。

社内研修も効果的ですが、他社での実例や深堀りした研修をするためには、コンサルティング会社を活用することも効果的です。

②ありたい姿を掲げる

活気ある組織ほど、方針やありたい姿をきちんと掲げています。

組織として向かう方向が決まっていると、社員たちは「どこに向かって頑張ればいいのか」が明確になり、積極的に仕事に取り組むことができるようになります。

ありたい姿に向かうために、挑戦する姿勢に変化させることが可能になります。

③経営層と触れ合う機会を増やす

中間管理職が仕事をしない現場では、経営層との距離が遠いことも多くあります。

普段、現場との距離が遠い経営層の方は、現場に触れる機会を増やすことが有効です。

この場合は、中間管理職だけとコミュニケーションをとるのではなく、組織のメンバーともコミュニケーションをとることで現場の状況を把握するきっかけを作ることができます。

若手の中間管理職登用

ありたい姿を掲げたり、研修で変わろうとするきっかけを与えたにもかかわらず、変化が見られない時には、降格を含む役割変更や異動も仕方ありません。

本人に理解してもらうこともそうですが、部下の気持ちもふまえて異動をさせましょう。

自分自身を見直すきっかけを作ってあげるのです。

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