あなたの鼓舞が部下のモチベーションを下げているかも⁉︎『失敗しない』部下を鼓舞する3つの方法と4つの失敗例

あなたは、仕事がうまくいってなかったりモチベーションが下がっている部下に対して、どのように接していますか?

「頑張れよ!」
「お前はすごいな!!」

上司のあなたなら、一度は部下を鼓舞するための言葉を投げかけたことはあるんじゃないでしょうか?

ちょっと待ってください!


もしかすると、その鼓舞の方法、逆効果になっているかもしれません

その鼓舞は、部下のやる気を下げたり、仕事を進めるブレーキを掛けてしまう鼓舞の仕方をしているかもしれません。

あなたの鼓舞の仕方が変わることで、部下は目覚ましのアラームが鳴る前に起きて、ワクワクしながら仕事に来るようになるかもしれません。早く業務を進めたい、リーダーと会って話したいなど、部下のモチベーションを上げるのはあなたの関わり方次第なのです。

そこで今回は、部下を鼓舞する時の失敗から、適切な鼓舞の方法まで解説していきます。

最後までご覧ください。

あなたは鼓舞しようとして「失敗」したと思ったことありますか?

リーダーに、部下のモチベーションを上げる為に鼓舞して「失敗した経験」があるか聞いてみると、ほとんどの回答が「ない」と結果でした。

反対に鼓舞して「成功した経験」があるか聞いてみると、こちらもほとんどが「ない」と答えたのです。

モチベーションを上げる為に鼓舞をしたのはいいものの、その結果が「目に見えない」というのが実情なのかもしれません。

つまり、鼓舞したことによって部下に良い影響を与えられたのかがわかってないのです。

この結果をさらに検証するために、部下に「リーダーからの鼓舞でモチベーションが下がった経験がありましたか?」と聞いたところ「ある」という答えが返ってきました。

良かれと思い、部下の成長を願って鼓舞したその言葉が、部下にとって『余計なお世話』になってしまっているということです。

どの様なパターンがあったのでしょうか。

鼓舞が失敗したパターンを4つのパターンを見ていきましょう。

①褒めすぎている

  • 「リーダーは、自分のモチベーションを上げる為に褒めてくれていたのですが、自分は褒められるほどやっていないと感じていました」

  • 「褒められるのは嬉しいのですが、無理矢理褒めているのに気づいてリーダーを信用できなくなってしまいました

  • 「褒められた仕事を続けていると、自信過剰になっていた事があります」

  • 「良い仕事したのに褒められないと、見てくれてないのかな?と不安になってしまいます」

その褒める言葉は、部下と温度差を作っていませんか??

②フォローが手厚すぎる

  • 「リーダーが業務をフォローしてくれるのが、当たり前になりました」

  • 「フォローは助かるのですが、他のことをして欲しいと思ってしまいます」

  • 「リーダーのフォローが手厚すぎて、後輩が気が利かない子になってしまいました

過剰なフォローで部下の成長を妨げていませんか??

③任せる仕事が大きすぎる

  • 「自信をつける為に、と任された仕事が大きすぎて失敗し、自身を失くしました」

  • 「頼りにしてくれるのは嬉しいのですが、配分を考えて欲しい」

その部下への期待(しすぎ)は、部下の負担になっていませんか??

④叱りすぎている

  • 「『お前を思って叱っている』と言われても、やる気が上がりません」

  • 「普段は優しいのですが、叱ると怖いのでその事が頭によぎって萎縮しちゃいます」

その叱り方は、部下の意欲を下げていませんか??

以上の失敗パターンから、

「鼓舞する為に褒めたのに。」
「鼓舞する為にフォローしたのに。」
「鼓舞する為に仕事を任せたのに。」
「鼓舞する為に叱ったのに。」

など、意図的な鼓舞が逆効果になり、 「褒めたら図に乗った」「手伝ったら、当たり前になった」「大きい仕事を任せすぎて失敗させてしまった」「厳しくしすぎた」など、予定していた筋書きとは反対の結果になってしまうこともあります。

ここまでの話を聞くと、

「え、でも部下は褒めた方がいいとよく聞くし〜〜」

「え、部下には成長してほしいから期待して仕事を任せるんじゃないですか?」

このように思われる方も少なくないのではないでしょうか。

そのご指摘の通り、上記4つの失敗例は、失敗にもなりますし、成功にもなり得る要素があります。違いは紙一重です。

むやみやたらに鼓舞しても、部下のモチベーションを下げてしまうのです。

適切な鼓舞ができていなリーダーはどうしたら良いのでしょうか。

部下を鼓舞できないリーダーに必要な「動機付け」

部下の仕事がうまくいっていなかったり、モチベーションが下がっている時こそ、リーダーの力が試されます。

部下の気持ちを駆り立て、ワクワクして仕事を始め、全力を尽くせるようにすることは、リーダーの役割の1つです。

鼓舞する前に必要な要素として「動機付け」があります。

人材育成の観点から考えると、部下への「動機付け」ができていると「鼓舞」がより効果的に作用します。逆に「動機付け」ができていない状態で、鼓舞する事は効率的ではないだけではなく、モチベーションを下げるなど逆効果になる可能性があるのです。

モチベーションは、個人の置かれた環境や内発的な欲求によって形成されることがほとんどです。内発的な欲求を喚起する動機付けは、大きく3つに分類されます。

金銭的動機
生活に必要な金銭を得たいという基本的な動機です。
社会的動機
個人の価値観を共有できる組織に所属し、その中で評価や承認を得たいという動機です。
自己実現動機
自分を成長させ自分が望む姿に近づけたいという動機です。

これらの動機を理解し、しっかりと動機付けすることで効率的で適切な鼓舞をすることができるのです。

鼓舞するポイントは「共感」

「部下の仕事がうまく行ってないことに気づいたあなたは、どう鼓舞しますか?」

もし、リーダーが「鼓舞」ではなく「操作」しようとすると、かえって状況が悪くなることもあります。部下の仕事に対して指示・命令をして改善を試みたり、チームの雰囲気をよくする為に新たな施策を打ち出したりすると、部下が全力を尽くせない状況を作ってしまうことになりかねません。

そこで「鼓舞」する時に重要になるのが「共感できる能力」です。

リーダーから共感を得ることができた部下は、「こういう相談してもいいんだ」と、懸念事項や強み、弱み、創造性を仕事に持ち込んでも大丈夫だと考える様になります。

部下が職場を安全だと感じ、自分らしく振舞っても大丈夫だと分かると仕事の生産性が上がるのです。

部下に「共感する鼓舞」を意識して、以下の3つのことに取り組んでいただければと思います。

①部下の達成度を評価する

金銭的動機に寄与する施策です。

部下の好奇心を駆り立てるような挑戦的課題を与え、その達成度を評価します。

挑戦的な課題の内容は「改善」が必要な業務や、「改革」に関する取り組み、ブレークスルーを起こさせるようなプロジェクトなどが好ましいです。

顧客サービスで働いている人には、その日接客した顧客の数と笑顔の数、または良いやりとりとその成果などの指標を使えばよいでしょう。

1日の終わりに、仕事の成功を理解し評価することで適切な鼓舞ができるのです。

②部下と正面から向き合い、関心事や価値観などの内面を知る

社会的動機に寄与する施策です。

ビジネスライクなうわべだけの関係ではなく、心から部下に対して関心を寄せ、内なるニーズを見いだします。

部下の生活に関心を寄せ、質問してその答えを熱心に聴きます。誕生日や記念日、家族の名前、重要な人生の出来事など、チームメンバーの重要情報を把握しましょう。

大事なのは、メンバーと個人的なつながりを築くことです。

③仕事の意義や社会的ミッションを共有する

自己実現動機に寄与する施策です。

部下に対し、自分が会社にどのように貢献していると感じるか尋ねてみましょう。その上で、リーダー自身が考える部下の貢献を共有します。

そうすることで「自分の努力には意味があり、費やした時間や労力が何か大切なものにつながっている」と感じることができるのです。

また、部下のチームへの貢献を理解させれば、仕事と大きな目標達成により一層精を出すはずです。

長期的かつ本質的な鼓舞をすることができます。

まとめ

リーダーはチームを率いる時、部下を鼓舞することがあります。鼓舞によって、モチベーションが上がり、圧倒的な成果を作ることができます。

しかし、鼓舞しているつもりが、逆にモチベーションを下げる原因をつくってしまうことがあります。

鼓舞する前に「動機付け」を理解しましょう。

モチベーションは、個人の置かれた環境や内発的な欲求によって形成されることがほとんどなのです。

そして、鼓舞するときは「共感」を意識しましょう。

  1. 部下の達成度を評価する
  2. 部下と正面から向き合い、関心事や価値観などの内面を知る
  3. 仕事の意義や社会的ミッションを共有する

これら3つのことに取り組めば、適切な鼓舞ができます。

あなたの鼓舞の仕方が変わることで、部下は目覚ましのアラームが鳴る前に起きて、ワクワクしながら仕事に来るようになるでしょう。

会社のことを自分ごとで考えている社員は何人いますか?

あなたが人材育成に悩まれているなら、社員を研修に送り出すのも一つです。
27,000人以上の人材育成をしてきた講師による無料セミナーはこちら。