テイカー社員が会社を潰す⁉︎会社の成長に欠かせないギバー社員の増やし方とは?

「あいつ、本当に自分の利益になることしか考えていないよな」
「少しでも、会社のことは考えていないのか」

こんな社員はいませんか??
もしかすると、それはテイカー社員かもしれません。

テイカー社員が多いと、給料以上の働きをしてくれないどころか、会社の愚痴や、メンバーへの嫌がらせなど、他の社員のやる気を損なう発言や行動を行います。

逆にギバー社員が多いと、会社のため、チームのため、同僚のために、主体的に行動してくれますので、おのずと業績もUPしていくのは、言わずもがなですよね。

今回は、組織拡大に欠かせない人材育成のマインド面『テイカー・ギバー編』としてお話していきます。この記事を読むことで、社内のギバー社員を増やす仕組みがわかり、組織拡大に活かしていけます。

「ギバーって何?」「ギバー社員を増やすには?」

順をおって説明していきますね。それではご覧ください。

ギバー・テイカー・マッチャーの違い

人間のタイプは3パターンに分かれていることをご存知でしょうか?

  • 「GIVER(ギバー)」
  • 「MATCHER(マッチャー)」
  • 「TAKER(テイカー)」

この3つに分類されると言われています。
あなたの中にもこの3つの要素があり、どの傾向が強いかで分類されるのです。

アダム・グラント著の『「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代」』によると、思考や行動で下記の3つのタイプに分類されます。

①ギバー(Giver)

与える人。自分よりも相手のことを考えて行動するタイプ。

「この人に何ができるか?何をしてあげられるか?」と考える。

②マッチャー(Matcher)

損得のバランスを考える人。相手や、環境に合わせて自分のスタンスをテイカーにもギバーにも変化するタイプ。

「この人からこれをもらったから、その分返そう。」と考える。

③テイカー(Taker)

受け取る、利用する人。自分の利益を最優先させ、相手から奪うことばかり考えるタイプ。

「この人から何をもらえるか?」と考える。

ギバー社員が増えるとどうなる?

「ギバーだと成功する」と思われがちですが、実はその反対も多いのです。ギバーはこのような2パターンに分けられます。

①失敗するギバー=自己犠牲タイプ

ギバーの精神が強く、自分を犠牲にして相手に惜しみなく尽くしてしまうタイプ。疲弊してしまう傾向にあります。自己犠牲のギバーの周りには、テイカーがたくさんいます。人から搾取される傾向にあるので、生産性が低く、「いい人なんだけどな〜」「仕事面ではパキッとしないんだよな〜」といわれるタイプが該当します。

②成功するギバー=他者志向タイプ

最初はギバーとして与え続けますが、相手がギバーではないとわかった場合、自分の対応をマッチャーに変化させます。そして相手が搾取するだけのテイカーだとわかるとギブすることを辞めます。つまり限られた時間やリソースを注力すべきところに注げるので個人としてはもちろん、組織としての生産性をあげることもできるタイプです。著書ではこう書かれています。

「他者志向」になるということは、受け取るより多くを与えるが、決して自分の利益を見失わないことだ。それを指針に「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めることなのだ。

組織内ではギバーが多いとまわりもギバーが増えていき、反対にテイカーが多いとテイカーが増えていくと言います。社員には他者志向タイプのギバーが増えていって欲しいですよね。

次にギバーの育成方法を解説します。

ギバーの社員を増やすには?

アダム・グラントが行った実験の中にこのようなものがあります。

奨学金の資金集めを目的としたコールセンター。同じことを繰り返す毎日でひどい言葉を浴びせられることも多かった。そこでアダム・グラントはその奨学金で人生が変わったという学生を連れてきて、奨学金のおかけで人生が変わったことや感謝の気持ちを語ってもらった。1ヶ月後、スタッフの電話対応時間は142%も増加し、集まった資金は171%も増えていた。

この実験から、未来の奨学金を受け取る学生を想い、行動が変わったことがうかがえます。冒頭に記述したように、人間の中には3つのタイプが混在しているので、環境やマネジメントによってギバーを育成していくことも可能なのです。

人は「利己心」と「思いやり」の両方を原動力にする時、もっとも成功できる。他者への関心と自分への関心が結びつけば、ギバーは、燃え尽きることがなくなり、成功しやすくなるのだ。

アダム・グラントはこのように記述しており、誰かの役に立った、感謝されたという経験は個人の成長を強く後押しすることがわかります。

そしてもう一つ大切なのは、組織の中でギバー的行動を見つけたらその貢献を見える化して評価することです。そして組織内にその行動を広めていきます。「そういう行動をとれば評価されるのだ」と社内で共通認識が進むと、組織全体がギバー化していきます。

ギバー的思考にしていくには?

ではテイカーをギバー思考にするにはどうすれば良いのでしょうか。下記4パターンで説明していきます。

①ごほうび作戦

テイカーはいかに自分に利益があるか、直近の損得を考えて行動します。そのため、表彰などの目に見えるご褒美を用意しておくことで、他者に貢献した時の満足感や充実感を味わうことができ、もっと評価されたい、成長したいという気持ちが強くなり中長期的にギバー思考にしていくことができます。

②チーム作戦

チーム内で起こっていることを自分事として捉えられない場合には、「あなたのチーム」であることを擦り込んでいきましょう。

「自分ごとである」というマインドになれば、会社や周りへの興味が湧き、もっと良くしよう、周りに与えてみんなで成長しようというギバー的思考にしていくことができます。

③思考力を鍛える作戦

常に正解を求めて近道をしようとする場合には、考え方自体が評価されるということを伝えてみましょう。一つの正解を追い求めるわけではなく、相手によって考え方を変える他者志向の行動パターン(ギバーの行動)を身につけることができます。

限られた時間やリソースを注力すべきところに注げるので個人としてはもちろん、組織としての生産性をあげるギバー的思考にしていくことができます。

④土壇場作戦

「頑張ったってどうせ…」という思考を持ち、手を抜いて行動をする場合には、このままでいるとどのようなデメリットがあるのかを伝えてみましょう。実際に責任を持たせて土壇場を経験させるのも良いかもしれません。追い詰められて物事に取り組んでみると、達成感や充実感を持つことができます。

向上心が育つと、周りの期待にこたえようという気持ちが芽生え、ギバー的思考が広がっていくことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、組織を拡大するために社内のギバー社員を増やす意味と、増やし方についてお話させていただきました。

自分のためではなく、他人のために行動すること、相手の思考を理解することがギバーへの大きな一歩になります。

ギバー思考はビジネスだけでなく、人間関係にも大きないい影響を与えます。
あなたの会社の社員が、ギバーの精神に目覚め、会社でも社会でも活躍していってくれることを願っています。

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