どの会社でも「リーダーシップを執る人材の育成」は喫緊の課題です。
新型コロナウイルスやAIなどの技術開発による環境の変化が激しい現代において、
リモートワークへの移行などによって組織の体制も大きく変化しています。
こうした大きな変化の中でも普遍的な事もあります。
「組織におけるリーダーシップ」はまさに普遍的ではないでしょうか。
これまでは、オフラインでの直接の関係で成り立っていた組織も、
オンラインでの関係になりより一層求められたのがリーダーシップです。
直接やり取りできない環境での組織、コロナ禍でもこれまで同様に機能する組織は、
リーダーシップ無くしては機能しないと言っても過言ではありません。
経営学の父「ドラッカー氏」は、リーダーシップと言う言葉をこの様に定義しています。
「リーダーの最も基本的な条件は『フォロワー(信頼してついてくる人)』がいる事だ」
どんなに高尚な理念を掲げ、高邁な精神を持ったリーダーでも、
フォロワーがいなければ、「リーダー」とは呼べません。
部下がたくさんいるリーダーでも、
「全員が信頼して付いてきてくれているか?」と問うと躊躇してしまうのではないでしょうか。
どんなにAI技術が発達し、組織がオンラインの関係になろうとも「企業は人」なのです。人と人とが信頼し合い、支え合い、刺激し合って協働する事が重要です。
環境の変化が激しくなると共にリーダーを務める難易度は年々上がっています。
そんなWithコロナ時代にあなたの会社で、
「リーダーにしてはいけない人を、リーダーにしていませんか?」
今回はリーダーにしてはいけない人の特徴を13項目にまとめて徹底解説しました。
ご覧下さい。
リーダーにしてはいけない人の13の特徴
①部下の話を聞かない
部下の話を聞かない人はリーダーにしてはいけません。
人は本来、自分の話を聴いてもらいたい生き物です。
聴いてもらったら自分も聴こうと思いますが、
自分の話を聴いてもらえないと、相手の話を聴こうとも思いません。
特にトップダウンの組織においてよく見られるのが、部下の話には耳を傾けない事です。
リーダーの話を部下が聴いていない組織はコミュニケーションがうまくいかず、
生産性は下がる一方です。事業の成功や目標の達成は、できないと考えた方がいいでしょう。
事業を成功に導くリーダーには、部下の話も聴けるという特徴が必要なのです。
②上司の顔色ばかり気にしている
部下に対しては高圧的な態度をとっているが、
上司に対しては顔色を伺い、ご機嫌取りばかりしている人をリーダーにしてはいけません。
上司の指示を尊重し行動することは、会社組織においては当たり前の事です。
しかしご機嫌とりばかりに気を取られ、注力するところを間違えてしまっている人をリーダーにしてしまうと組織は崩壊します。そんなリーダーは部下からすると滑稽にしか見えないのです。
しかし、上司に気に入られる事に注力している人が、出世するケースは珍しくありません。
なぜなら、リーダーを選出する上司から見ると、とても優秀なリーダーに見えてしまうからです。自分の言う事に従い、気を利かせてくれるリーダーには好感を持ってしまいますよね。
リーダーが自分の評価を上げる為だけに、上司の顔色ばかりを気にしている人なのか、部下が働きやすいことも考えている人なのか。あなたはどちらの人をリーダーにしたいと思いますか?
③好き嫌いで人を評価する
自分の好き嫌いでメンバーの評価をしている人をリーダーにしてはいけません。
なぜなら、メンバーは公平な評価を望み、もし公平な評価がされていないと感じるとモチベーションの低下に繋がるからです。
人には承認欲求があり、誰もが認められたいと思っています。リーダーとの関わりが多く、目立っているメンバーだけが認められ評価されてしまうと、他のメンバーのモチベーションは著しく低下してしまいます。
もちろん誰もが公平だと思う評価は難しいでしょう。
ただ、好き嫌いで評価する事は絶対に避けなければなりません。
組織においては、評価される人が公平に評価されていると思う様な仕組みづくりが必要です。
好き嫌いで評価するリーダーの組織は、
メンバーが違う方向に向かってしまう可能性があります。
絶対に好き嫌いで評価する人をリーダーにしてはいけないのです。
④感情の起伏が激しい
感情の起伏が激しい人を、リーダーにしてはいけません。なぜならメンバーとのコミュニケーションがスムーズにできないからです。
部下が相談した時、たまたま虫の居所が悪く怒られてしまったり、
いつも顔色を伺わないと話す事ができなかったり、機嫌を取らないといけないリーダーだと、スムーズなコミュニケーションは不可能です。
もちろんリーダーも人間なので、感情的になっている時はあると思います。
ただ、その感情を部下に当てつける様なリーダーはメンバーからの信頼も得ることができません。
しかし、その後の行動は選択できます。
イラっとしたら『一時停止』です。
感情的に仕事をしても良いことは一切ありませんよね。
対処方法を心得ていれば、防ぐことができるので
また対処方法を別の記事でお伝えしますね!
モチベーションが下がるコミュニケーションは、プロジェクトの遂行にも悪影響をもたらします。リーダーの立場にいる人は、メンバーが安心して相談したり、意見を言う事ができる必要があり、メンバーの感情に対して気を使えるくらいの余裕が必要です。
メンバーのモチベーションをあげる事もリーダーの役割のひとつなのです。
⑤発言と行動が伴っていない
「口ばかりで、言ってる事とやっている事が全然違う」こんな人をリーダーにしてはいけません。
言行不一致は、信頼を失ってしまいます。
リーダーがチームのビジョンを掲げる事は珍しくありません。
リーダーが掲げたビジョンと異なる行動をしていると、メンバーから信頼される事はないでしょう。もちろんビジョンが達成される事もありません。
逆に、口にした事を行動できる人は信頼されます。
有言実行こそが、リーダーに求められる条件のひとつなのです。
⑥受動的である
チームで起きている事、身の回りで起きている事に対して、
他人事だと考え、受動的に物事を捉えている人をリーダーにしてはいけません。
他人事と考えているリーダーの受動的行動に、
上司からの指示をリーダー自身の言葉にせずに部下に伝えているという事があります。
たとえば、
「社長からの指示で◯◯してくれって事なのでよろしく」
とリーダーが部下に言ってしまうと、
部下はリーダーに対して
「他人事だと思って…」「自分の意見がないリーダーだな」
と感じてしまいます。
部下がついていきたいと思うリーダーではなくなってしまうのです。
上司からの指示を自分の言葉にして伝える事ができるリーダーは、
能動的に物事を捉える事ができます。
発言に対する責任がともなっているのです。
組織や身の回りで起きている事について、
自分事と捉え、主体的に考え行動できる事がリーダーに求められる条件のひとつなのです。
⑦客観的な判断ができない
客観的に物事を捉えて判断できない人をリーダーにしてはいけません。
人は主観で物事を見ます。
主観は自分自身の価値観に基づいており、その価値観は過去の経験や体験からできています。
自分の主観だけで、物事を判断すると偏った見方になってしまいます。
例えば、相手の主張と自分の主張を組み合わせて、最適な解を探す事ができない。自分の主張の矛盾点・論理的不整合に気づけないという事があります。
さらに、組織を牽引するリーダーが偏った見方をすると、
チームに不協和音が発生してしまいます。
組織を正しい方向へ導く為にも、客観的な視点を持ち判断できる能力が必要です。
自分の正しさを追求するのではなく、自分の判断を疑える力も必要です。
一歩引いた視点から評価しつつ、
最終的な判断を出す事ができる人がリーダーには向いています。
ちなみに、自分を客観視する力のことを『メタ認知』と言います。
メタ認知は鍛えることができるので、また別の記事でお伝えしますね。
⑧仕事を任せられない
仕事を部下に任せられない人をリーダーにしてはいけません。
仕事を任せる事ができない理由は3つあります。
②リーダーが部下の能力を適切に把握していない
③リーダーの保身が強い
部下を信頼できずに仕事を任せられない場合、
リーダーとして部下の失敗の責任を追う覚悟がないと解釈する事もできます。
また、部下のスキルを適切に把握できていない場合、部下の得意な事や苦手な事がわからず、このスキルを伸ばしてほしいという方針も明確になっていません。
リーダーとして部下の教育不足と解釈する事ができます。
必要以上に保身が強いと、失敗しない様に適正な範囲で仕事をしてしまいます。
保身は重要な機能です。
ただ、安全領域内で仕事をしていると、望める成長も望めません。
部下の貴重な成長の機会を潰してしまう事にもなります。
人に仕事を任せると言う事は、部下の仕事を信頼し、最終責任を持つ事ができる状態です。
自分で仕事を抱え込まず、
逐一口を出すことなく部下の仕事を信頼できる人は、リーダーに向いています。
⑨自分の成功ばかり考えている
自分本位になり、自分の成功の事ばかり考えている人をリーダーにしてはいけません。
物事がうまくいった時、全てを自分の手柄にする人は成功できないからです。
部下の手柄を横取りするリーダー本人には「手柄を奪ったという意識がない」心理が働いている場合があります。この様な心理メカニズムの事を「利己的帰属」と言います。
成功した時は「自分の関与=貢献」を過大視し、
失敗した時には「自分の関与=責任」を過小視する心理です。
利己的帰属が強い人は、
誰もが手柄を横取りされる経験をする為、周りからの信頼を得る事ができません。
リーダーは自分の成功よりも、部下の成功を考えなくてはいけません。
部下の成功が、チームの成功であり、チーム全員を成長させる事ができるからです。
チーム全員の成長には時間がかかる為、どうしても短期的な称賛を求めてしまいがちですが、長期的な視点をもち、メンバーの成功を考えられる人が、リーダーに向いている人です。
物事がうまくいった時「みんなのおかげ」と言える人がリーダーに向いています。
⑩すぐに愚痴を言う
愚痴をいう人はリーダーには向いていません。
愚痴はメンバーのモチベーションを低下し、チーム全体の士気を下げるからです。
またすぐに愚痴を言う人の特徴として「すぐに諦めてしまう」傾向にあります。
一度の失敗から前進する事に臆病になっていたり、
何も追求することなく可能性がないと判断してしまうと、メンバーからは信頼されません。
リーダーは、愚痴を言ってしまいそうな状況もうまく改善し、
モチベーションが上がるような推進力を持っています。
むしろ、率先して愚痴を言う部下の話を受け入れ改善しましょう。
愚痴を言った部下を含めたチーム全体のモチベーションが上げられる人は、リーダーに向いています。
愚痴は組織の上の人にいうことはあれど、組織の下の人に言うことはご法度です。
⑪会社の批判をする
すぐに会社を批判したり、悪口を言う人をリーダーにしてはいけません。
部下から見るとリーダーはより会社に近い人物であると認識しています。
そのリーダーが会社を批判する発言をしてしまうと、メンバー自身も会社を信用できなくなってしまい、仕事へのモチベーションが下がってしまいます。
また、リーダーはメンバーが会社の批判をする事を容認してはいけません。
チームの雰囲気が悪くなる原因に「人間関係」があります。
「こんな会社嫌だ」
「仕事辞めたい」
とメンバーが発言しているチームでは、目標達成どころか、組織として機能しなくなってしまいます。会社の批判を容認すると、人間関係が悪化し本気で仕事に取り組む事ができなくなります。
会社の不満を言うリーダーが会社を壊します。
批判や悪く言う事をグッと抑え、
自分で変えてしまうくらいの行動力がある人がリーダーには向いています。
⑫人のせいにする(他責思考)
責任を負わずに、人のせいにする人はリーダーにしてはいけません。
最も大きなリスクは、建設的な問題解決が行えなくなる事です。
例えば「業務過多になった状況」で考えてみましょう。
他責の人は、業務が増えた環境や業務を遂行できない部下のせいにして、
「俺がやってた時代はなぁ」と過去の栄光を語ります。
反対に、自責の人はどうすれば業務改善ができるかを率先して考えます。
業務をするのにベストな環境でなくても、環境を変えようと率先して行動できます。
さらにリーダーにはメンバーの業務に対する責任をとる事が必要な状況があります。メンバーの失敗をも、自分の責任として捉える事ができる人がリーダーに向いているのです。
⑬新しい考えを受け入れられない
固定概念に縛られている人をリーダーにしてはいけません。
Withコロナ時代では、環境の変化と共に、柔軟に新しい知識を入れていく事が求められています。
リーダーが昔のやり方にこだわっていると、時代の変化に対応できなくなってしまいます。
「強い者、賢い者が生き残るのではない、変化できる者が生き残るのだ。」
と言うダーウィンの言葉があるように、新しい事を素直に受け入れて、
変化に対応できる人こそ、リーダーに向いています。
まとめ
今回は、リーダーにしてはいけない人の13の特徴を解説しました。
Withコロナ時代ではリーダーを務める難易度は年々上がっています。あなたの会社のリーダーやリーダー候補に、13の特徴に当てはまる人はいないでしょうか。
組織には、人と人とが信頼し合い、支え合い、刺激し合って協働する事が重要です。どんなにAI技術が発達し、組織がオンラインの関係になろうとも「企業は人」なのです。そんな人をまとめて牽引するのがリーダーです。
発展的な組織にする為にも、リーダーになる人間にはリーダーとして必要なスキル・マインドを教育しましょう。
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