変化が激しい現代に求められる意思決定方法『OODAループ』とは?時代に取り残されない新テクニック

こちらは、2000年。
今から約20年前のある国の写真です。どこだかわかりますか??

「ん〜〜〜。砂漠のような土地だな。」

「海も少し見える・・・。どこだろう??」

ちなみに、現在のその国の写真がこちらです。

もうお分かりですね。
そう、ドバイです。

ドバイはこの約20年という短い期間で、まるで別の国のような土地へと大変身しました。

これは、AIやSNSの急速な発達、「VUCA(ブーカ)」と呼ばれる現代だからこその急成長だと言えます。

もし約1000年前の『1192年(いいくに)つくろう鎌倉幕府』の時代では、たった20年でここまでの変化はなかったでしょう。

今や物があふれ複雑化した上に、少し先の将来さえも予測ができない状態です。我々のビジネスを取り巻く環境も激しく変化しており、もはやこれまでの常識では通用しなくなっている局面が露呈しつつあります。

あなたは、いつまでも昔ながらの手法で戦っていませんか??

“刀時代の侍” VS “最新兵器を用いる軍人”

“ファミコン” VS “任天堂switch”“伝書鳩” VS “iPhone12”

誰から見ても圧倒的に差が出る戦いですよね。
このように、いつの世もアップデートしていかない人は戦いに破れていくのです。

OODAループ(ウーダループ)もその一つです。

OODAとは、先の読めない状況で成果を出すための意思決定方法です。

オーダじゃないの??ウーダ??
何それ??

そう思われた方こそ、今回の記事を読み
激しい時代の変化がある現代の会社成長に活かしていってください。

今回は、そんなOODAループの概要や効果、実践方法、PDCAサイクルとの違いをご紹介します。

OODAループとは

OODAループとは、瞬時に判断し実行できる思考法(OODAループ思考)を用い、論理的思考だけではなく、直感等の人間の潜在能力を最大限に活かして行動する意思決定方法です。

OODAループ
=現代の意思決定方法

とだけ、まずは覚えてみてください。

OODAループは、「観察(Observe)・仮説構築(Orient)・意思決定(Decide)・実行(Act)」4つのステップに分かれています。

順に活用法を説明していきますね。

ちなみに、どんなに先の見えない状況の中でも迅速に意思決定を下し、不利な状況からであっても、40秒あれば形勢を逆転できたということから「40秒ボイド」の異名を持っていたアメリカの軍事戦略家ジョン・ボイド氏によって提唱されました。

OODAループとPDCAサイクルの違い

OODAループとよく比較されるフレームワークにPDCAサイクルがあります。

どちらも4つのステップから構成されているためか「どちらのフレームワークがより優れているか?」という旨の議論をよく目にしますが、本来OODAループとPDCAサイクルは比較されるべきものではありません。

なぜなら、それぞれの目的は大きく異なるからです。

PDCAサイクルの目的

PDCAサイクルは、業務改善など「How」を考えるのに最適なフレームワークです。

工場での生産速度や生産効率といった「決められた工程をいかに低いコストで進め、高い生産性を発揮するか」という工場の生産性を高めるために作られたフレームワークです。

PDCA
=見直しを早期に行い生産性を高めるためのフレームワーク

OODAループの目的

OODAループは、意思決定をするなど「What」を考えるためのフレームワークです。

ジョン・ボイド氏が身を置いていた戦場のように、不明確で常に変化していく状況の中で、現状にあるものから最善の判断を下し、即座に行動を起こすことを目的としています。

ですので、PDCAサイクルのような業務改善ではなく、「起業を成功させる」「新規事業を開発する」といった明確な工程のない課題に対して効果的なフレームワークが OODAループなのです。

OODAループ
 =先通しが見えない課題の意思決定フレームワーク

OODAループの4ステップ

では、OODAループの使いどころが分かったところで、実際にどのようにOODAループを回していくか、それぞれのステップについて解説していきます。

OODAループの第1ステップ観察(Observe

OODAループの第1ステップである「観察」とは、単に「見る」という意味ではありません。「情報を収集する」という方が適切な表現かもしれません。

観察のステップでやることは、自分の感情や置かれている状況、相手の行動や置かれている状況、環境、市場の動向、といった事実を幅広く集めることです。

まずは、状況把握。と覚えてください。
例)
①私は今お腹が空いている。ここから近くに有名なそば屋さんがある。今は14時だ。
②新発売のハーブ風味のサラダチキンは、今日で100個売れた。先月の新商品は、一日に平均で300個売れていた。

OODAループの第2ステップ仮説構築(Orient

2ステップである「仮説構築(Orient)」は、OODAループの中で最も重要なステップだと言われています。
このステップで行うのは、自身が持つ経験や文化の特徴、身体的特徴、歴史といったものと観察によって手に入れたデータを統合して分析し、仮説を構築することです。

仮説構築が最も重要だと言われるのは、この仮説次第で最終的な行動が大きく異なるからです。

OODAループにおいて仮説構築(Orient)が成功したと判断するポイントは、
「以前の判断の誤りや他者の判断の誤りに気付くこと」だとされています。

OODAループは、PDCAサイクルと同じように、1度回すことで成功を得られるものではなく、何度も回すことでゴールの達成へと近づいていきます。
しかしただ回数を重ねればいいわけではなく、毎回の仮説構築において前回の判断の誤りに気付き、新たな仮説を基に次の行動を起こしていくことが前提となっています。

経験や文化、データを統合し仮説を立てましょう
例)
①ここの近くの有名なそば屋さんは、今も開いているはずだ。
②「ハーブ風味」というワードには、あまり求心力がないのかもしれない。

OODAループの第3ステップ意思決定(Decide

3の意思決定のステップでは、最終段階の「実行(ACT)」に向けて、何をするかを決定します。考えられる行動の選択肢は複数出てくるでしょう。そこで、効果的に意思決定をするためのプロセスを3段階に分けて紹介します。

①どうなりたいかを確認する

まずは、自分もしくは組織がどうなりたいのかを確認します。

②考えられる選択肢をリストアップする

どうなりたいのか、ということに対して考え得る行動をなるべく多く出します。

③一番効果的と思えるものを仮説に沿って選択する

「自分がどうなりたいのか」と「行動の選択肢」を照らし合わせて、最も効果的だと思えるものを決めます。

この3段階のプロセスを踏むことで、意思決定を円滑に進めることができます。

観察や仮説をベースに、どうなりたいかで意思決定する
例)
①今すぐお腹を満たすよりも、おいしいものでお腹を満たしたいので、コンビニではなく、そば屋さんに行こう。
(どうなりたいか=おいしいものでお腹を満たしたい)
②味に自信があり、一度食べてもらえればリピートしてもらえる自信があるので、パッケージの色合いと文言を変えてみよう。
(どうなりたいか=一度食べてもらいたい)

OODAループの第4ステップ実行(Act

OODAループの最終ステップは「実行(Act)」です。意思決定のステップで決めた行動を実践します。

実行のステップが終わると、その後に2回転目のOODAループが始まります。観察のステップでは、実行したことによって現状が変わっているかもしれませんし、変わっていないかもしれません。変わっていても変わっていなくても、その情報は新たな仮説を構築する材料になります。

1回転目のOODAループを終え、次のOODAループを始めるにあたって大切なことは、結果に一喜一憂しないことです。
うまくいったとしてもうまくいかなかったとしても、それは次のOODAループを回すための単なる情報だと捉えて、気持ちを切り替えて2回転目を回すことが最後のステップでのポイントです。

実行します。そしてその時に起こったことを観察します。
例)
①そば屋に向かう。
②パッケージと文言を変える。

まとめ

これまで、OODAループとは何か、PDCAサイクルとの違いは何か、OODAループはどのように回すか、について説明してきました。OODAループは、変化が激しく先の読めない現代において、今あるもので判断し、実行する重要性を示唆しています。

強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ。

進化論で有名なダーウィンの名言です。

組織の変革をご検討されている企業様からご相談も承っております。
27,000人以上の人材育成をしてきた講師による無料セミナーはこちら。