社員のやる気がみるみる上昇!やる気を引き出すペップトークとは?

「部下を育成したい」

「上手に指導したい」

でもどうしたらいいか分からず、
とにかく熱いだけの指導や、厳しい言葉を部下に浴びせてしまっていませんか。

部下に対する愛情や、部下を育成したい気持ちはあるにも関わらず、気持ちが先行して厳しい言い方になってしまい空回りしてしまう、そんなリーダーのためにこの記事を書いています。

今回は、短い言葉で伝わり、やる気を上げ、成果に繋がる「ペップトーク」をご紹介します。これを使いこなすことであなたのチームの部下のやる気に火がつくでしょう。

それでは、ご覧ください。

チームスポーツに強いアメリカに学ぶ 人の動かし方

多様な人種が暮らすアメリカでは、言語や考え方、宗教まで多種多様。そのため、大統領演説やドラマなども短く、わかりやすい言葉で伝えること傾向があります。

スポーツで見てみるとアメリカは、ベースボール・バスケットボール・アメリカンフットボール・アイスホッケーなど、チームスポーツが強いですよね。これらはアメリカ4大スポーツとも呼ばれているほどですが、指導者やリーダーはまさに「ペップトーク」を使って選手を激励しているのです。

もともと「ペップ(Pep)」とは元気、活力を意味しています。
試合前に、緊張や不安でいっぱいの選手たちに激励の声をかけると、それらがやる気やモチベーションに変化することから「ペップトーク」と呼ばれるようになりました。

勝つための厳しい指導を重視してきた日本とは異なり、アメリカは多人種ならではの個々の強みを活かすことを重視した指導法をしてきました。そして試合前、最後の後押しになるのが「ペップトーク」です。

ただの激励と侮るなかれ。過去にアメリカが逆転勝利した、奇跡とも呼ばれた試合をご紹介しましょう。

ペップトークで予想しなかった展開に!?「氷上の奇跡」

ここで一つ、のちに映画にまでなった成功事例をご紹介しましょう。今ではアメリカのお家芸とも呼べるアイスホッケーでの出来事です。

1980年にアメリカで開催されたレークプラシッドオリンピックの決勝ラウンド、冷戦真っ只中のアメリカとソ連との対戦でした。当時はソ連代表チームがオリンピック3連覇を成し遂げており、金メダル確実と言われていた中、対するアメリカは学生選手を集めて作ったチーム。

自国開催に後押しされ、快進撃を続けたアメリカ代表でしたが、誰もがソ連には勝てないと思っていました。その決勝戦直前にハーブ・ブルックスヘッドコーチが選手に伝えた言葉が「ペップトーク」の元祖として広く知られています。

偉大な瞬間は偉大なチャンスから生まれる。

お前たちのチャンスは今夜だ。

それをその手でつかみ取ったんだ。1試合だ。

10試合戦えばソ連が9回勝つだろう。しかし今日のこの1試合は違う。

今夜は敵と肩を並べとことん食らいついていく。

そして完全に封じ込めるんだ。

必ずできる!

今夜は俺たちが世界で最も偉大なチームだ。

お前たちはホッケーをやるために生まれてきた。

今夜お前たちがここに来たのは運命だ。その時が来たぞ。

ソ連の時代は終わった。もういいだろう。いい加減、聞き飽きた。

どこへ行ってもソ連はすごいという話ばかり聞かされ続けた。
でも、もう古い。

時代はお前たちのものだ。

さあ、必ず奪い取ってこい!

このたった1分ほどの言葉が、選手の心を熱く震わせました。結果、見事に逆転勝利し、歴史に残る大勝利をおさめました。この出来事は「氷上の奇跡」と呼ばれるほどです。

この日に向けてやってきた成果を最大限に活かすのは、最後の激励の一言と言っても過言ではないのです。

ペップトークの4つの要素

では、ペップトークはどのように使いこなすか。

実はロジック立てられており、下記の4つの要素で構成されています。

(1)受容(事実の受け入れ)

まずは現状を理解するところから始まります
部下の状況や感情を理解し、寄り添い、共感しましょう。

緊張や不安を感じたり悩んだりしている時には、まずは共感することで部下はあなたが言うことを素直に受け入れることができるでしょう。

先ほどのペップトークの例で言うとこの辺りです。

偉大な瞬間は偉大なチャンスから生まれる。

お前たちのチャンスは今夜だ。

それをその手でつかみ取ったんだ。1試合だ。


(2)承認(ポジティブ変換)

次に受け入れた事実をポジティブに変換しましょう。

リーダーならではの目線で部下が悩んでいること、やろうとしていることは決して間違いではない、むしろ前向きに進もうとしている証だと伝えるのです。

先ほどのペップトークの例で言うとこの辺りです。

10試合戦えばソ連が9回勝つだろう。しかし今日のこの1試合は違う。

今夜は敵と肩を並べとことん食らいついていく。

そして完全に封じ込めるんだ。

必ずできる!

(3)行動(してほしいこと)

次に具体的に部下にしてほしい行動を伝えます。

部下がやりたいこと、理想像に近づくためにまずはこれをやってみようとポジティブな未来を示しながら伝えるとさらに部下のモチベーション向上に繋がります。

先ほどのペップトークの例で言うとこの辺りです。

今夜は俺たちが世界で最も偉大なチームだ。

お前たちはホッケーをやるために生まれてきた。

今夜お前たちがここに来たのは運命だ。その時が来たぞ。

(4)激励(背中のひと押し)

最後はポジティブになった部下の背中を押す言葉を伝えましょう。

先ほどの氷上の奇跡のお話でコーチは熱い言葉を送っていましたが、相手の性格を踏まえた言葉が良いでしょう。試合の場に部下を送り出すイメージで優しく、力強い言葉で激励しましょう。

先ほどのペップトークの例で言うとこの辺りです。

ソ連の時代は終わった。もういいだろう。いい加減、聞き飽きた。

どこへ行ってもソ連はすごいという話ばかり聞かされ続けた。
でも、もう古い。

時代はお前たちのものだ。

さあ、必ず奪い取ってこい!

このペップトークの構成を元に、部下への激励の言葉を書き出してみましょう

ペップトークの個人での活かし方

ペップトークは部下の育成にも効果的ですが、自分自身を奮い立たせることにも効果的です。

フリーランスやリモートワークをしている方が増えている現代、人に激励される機会は減ってきているのではないでしょうか。

人と会う機会自体が減り、自らのモチベーション管理がなかなか難しい…
そんな時に自分自身にペップトークをしてみるというのも一つの手かもしれません。

第三者の目線で現状が理解でき、そしてポジティブな考え方に変換し、取るべき行動を具体化、最後に自分の背中をひと押ししてみてください。

毎朝やってみるとその日1日がとても前向きに過ごせるはずです。

日本は世界でも自己肯定感が低いという研究結果がありますが、ペップトークを自分に向けてすることで自己肯定感も高まり、モチベーションの維持に繋がるはずです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アメリカ映画やドラマでもよく見る激励シーン。実は再現可能な構成があり、今やそのペップトークはリーダーの育成研修などにも用いられているほどビジネスにも浸透してきています。

4つの要素の組み立てでモチベーションが上がるペップトーク。まずはあなた自身を激励してみてはいかがでしょうか?

最後までご覧いただきありがとうございました。