こんにちは。
以前の記事で「PM理論から学ぶ4タイプのリーダー像」について解説しました。
その際にテーマにした内容がこちらです。
リーダーに4つのタイプがあるように、リーダーシップも6種類に分類されます。
経営者が変わると組織も変わる様に、
リーダーシップの執り方で組織が変革するといっても過言ではありません。
時代や組織文化、状況に応じて適切な方法でリーダーシップを執る事が求められます。
組織を牽引するリーダーを「役割」とするならば、リーダーシップは「手段」と言えるのでないでしょうか。
そこで今回は、「未だ実現していない未来に導く方法 = リーダーシップ」について種類別に紹介します。あなたの会社の状況に合ったリーダーシップの執り方の参考になれば幸いです。
▼以前の記事はこちら
「PM理論から学ぶ4タイプのリーダー像」
リーダーシップの6種類
「EQ(心の知能指数)」の提唱者ダニエル・ゴールマン(Daniel Goleman)氏は、リーダーシップを6種類に分類しています。
それぞれどのようなリーダーシップなのか、リーダーの例も併せてご覧下さい。
①ビジョン型リーダーシップ
ビジョン型リーダーシップとは、事業のビジョンや目標を明確にし、メンバーと共に成長しながら成功に導く、最も前向きな方法です。
ビジョンや目標はリーダーが示しますが、
目標達成の方法やプロセスはメンバーに委ねる事が多く、リーダーは補佐役に徹します。
共通の目標を達成しようとするメンバー間でのコミュニケーションは
組織を活性化させると同時に、組織への帰属意識が高まる事が期待されます。
また、メンバーが自主的に行動する力が身に付く上に、
ビジョンに賛同するメンバーが集まりやすくなります。
ただし、リーダーの信念が揺らいだり、
不信感を与えたりすると、組織の機能が崩れる恐れもあるので注意が必要です。
ビジョン型のリーダー例「スティーブ・ジョブズ」
iPodやiPhoneなど革新的なアイディアを形にする為に、
目指すべきビジョンを明確に掲げ実現させた、
Apple創業者「スティーブ・ジョブズ」氏がビジョン型のリーダーと言えます。
②コーチ型リーダーシップ
コーチ型リーダーシップとは、リーダーとメンバーが1対1の関係性を築き、メンバー個人の目標をサポートする、コーチ的役割を担う方法です。
メンバー個人の性格や特性、長所や短所などを把握し目標達成をサポートする事で、
高いモチベーションを維持する効果が期待できます。
また、メンバーとのコミュニケーションを密に取る為、
より良い信頼関係を築く事が可能です。
ただし、メンバーのモチベーションが低い場合は効果が期待できません。
また、組織の規模が大きくなると個々のコーチングが難しくなる上に、
信頼関係が揺らいでしまうと仕事に悪い影響を及ぼします。
コーチ型リーダー例「ティム・クック」
組織の心臓と成り得る優秀な「No.2」を採用し、
自身は組織のブレインとなって「No.2」に各業務を任せている
Apple社現CEO「ティム・クック」氏がコーチ型のリーダーと言えます。
③関係重視型・集団維持型リーダーシップ
関係重視型リーダーシップとは、メンバー間の関係性とメンバーの感情を重視し、信頼関係を築く事で業務に取り組みやすくなる方法です。
メンバーの感情を踏まえた上で、
メンバー間の関係性を良好に維持する事を重要視します。
良好な人間関係を維持する事が最重要項目になるので、
メンバーが居心地のいい環境で業務を進める事ができます。
ただ、業務上のトラブルが起きた時、
人間関係を重視するあまりトラブルの原因や責任の所在を曖昧にしやすくなります。
また、チームビルディングに時間を取られ、
目標達成に消極的になってしまう可能性があります。
関係重視型リーダー例「豊臣秀吉」
人間関係を重視し、有名軍師の黒田官兵衛が
「織田信長よりも天下を獲らせたい人」と仕えた逸話が残る
「豊臣秀吉」が関係重視型のリーダーと言えます。
④ペースセッター型リーダーシップ
ペースセッター型リーダーシップとは、
リーダーが模範となり具体的な手本となる事で組織のペースメーカーとなり、
メンバーの行動に影響を与えパフォーマンスの向上を促す方法です。
成果主義の組織で、リーダー個人の能力が高い事が前提となります。
また、模範となるリーダーの能力を盗み、
再現できる優秀なメンバーが属する事で高い効果を期待する事ができます。
ただ、リーダー個人のスキルが低かったり、
メンバーの再現性が難しい場合は、
リーダー自身が全ての業務を行う事になるリスクもあります。
ペースセッター型リーダー例「藤田晋」
創業してしばらくすると、週110時間働く事を目標に掲げ、ハードワークをこなし自ら会社のペースメーカーとなったサイバーエージェントの「藤田晋」氏が、ペースセッター型のリーダーと言えます。
⑤民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップとは、メンバー個人の意見や提案を受け入れ、組織の方向性や活動に反映させる方法です。
全てのメンバーの意見に広く耳を傾ける事で
これまでの慣習の改革や、新たなアイディアの発掘が期待できます。
最終的な決定よりも、意見をあげる事ができる環境によって、
組織運営に意欲的に参加する事ができるプロセスが重視されます。
特に、コーチ型リーダーシップに向いていない、
大規模な組織のリーダーシップで高い効果が期待できます。
ただ、メンバー個人から異なる意見や提案が集める為、
結論がまとまりにくく、時間を要する傾向にあります。
特に緊急時は決断が難しくなりがちです。
民主型リーダー例「徳川家康」
家臣が常に話し合いをする様に場を設けるなど、いつでも意見が言える組織を構築し、後の8代将軍が「目安箱」で庶民の意見を集める基礎を築いた「徳川家康」が民主型のリーダーと言えます。
⑥強制型リーダーシップ
強制型リーダーシップとは、
リーダーの権力や圧力と言った強い強制力を行使して、組織を目標達成に導く方法です。
全ての決定権をリーダーが握っており、
メンバーには命令によって説明なく即座に従う事を求めます。
その為、短期間での決断が必要な状況で、効果を期待する事ができます。
特に災害時など危機的状況を回避する場面では高い効果が期待できます。
ただ、絶対的な存在のリーダーによる単独判断になる為、
メンバーの成長や自主性の育成は困難であり、メンバーのモチベーションが失われたり、
時として人間関係悪化による組織崩壊のリスクがある事も忘れてはいけません。
強制型リーダー例「織田信長」
長い軍議で「何もしない」と決断しておきながら、1人で敵陣に出撃して即座に従う事を求めるなどして数々の成果をあげた「織田信長」が強制型のリーダーと言えます。
まとめ
「リーダーとリーダーシップ」には「役割と手段」という違いがありますが、組織の目標達成にはどちらも必要な要素です。
目標や成功・成果に向かい、組織を一体化させて牽引する。
という一連が、リーダーの役割と言えるのではないでしょうか。
その役割を理解した上で、時代や組織文化、
状況に応じて適切な方法でリーダーシップを執る事が求められます。
「あなたの会社ではどの様なリーダーシップが発揮されているでしょうか」