ティール組織や、ホラクラシー組織、アジャイル型組織など、従来のピラミッド型組織とは異なるかたちの組織改革が注目を集めています。
不安定で複雑な「VUCA」と呼ばれるような現代においては、上からの指示がなくともメンバーが自ら考え行動する「自律型組織」の方が変化に強いとされていることが要因です。
しかし、組織改革には、時間や労力がかかり、組織の状況によっては難しいケースも見られます。
実際に組織改革を進めた企業でも、上司部下の縦の関係性は何かしらの形で残っている事が多いようです。
つまり、組織構造上の上下関係を見直したとしても、部下に信頼される上司が必要とされる時代は、変わらず続いているのです。
では、部下に信頼される人とは、どのような人なのでしょうか。
部下に信頼される人についてお話して行きます。是非、ご覧ください。
愛ある上司が求められる時代
複雑さを増し、混沌とした時代で事業を継続していくには、会社のトップが誰よりも成長し続けなければなりません。
社長自身が成長し続けている会社ほど、組織や事業の変革が進み、従業員の満足度も向上していきます。
この考えは、会社のトップだけでなく、人の上に立つすべての人に当てはまります。
自分の肩書きをただの役割として認識している上司の元では、人も組織も育ちません。
上司の役割を「責任」と認識していないと、自分がだけがどう幸せになるかしか考えていないからです。
自動車会社フォード・モーターの創設者 ヘンリーフォード氏は、この様な名言を残しています。
「成功の秘訣というものがあるとしたら、それは他人の立場を理解し、自分の立場と同時に他人の立場からも物事を見ることのできる能力である。」
人や組織を育てるには「愛」が必要です。
愛とは、自分以外に向けられるものです。
自分だけに向けられたものは、愛ではありません。
人のうえに立つ人が与えるべき愛には、様々な形があります。優しさも愛ですが、優しさだけが愛ではありません。時には厳しさを伝えなければならない場面もあります。
上司が愛を持っているかどうかで、組織は隆盛もすれば衰退もするのです。
部下に信頼される上司の条件
この人についていきたいと思われる上司には10の条件があります。
①目標を明確にする ②向上心 ③コミュニケーション能力 ④判断力 ⑤評価する ⑥業務遂行能力 ⑦誠実さ ⑧模範になる ⑨モチベーション管理能力 ⑩信頼
▼詳しくはこちらで解説しています。
部下が付いていきたい思うリーダーとは!やるべき10の実践方法
心の持ち方は、自分で決められるものです。
どういう生き方を選択するか。部下に信頼される上司になりたいかはあなたが選べる事です。
結局は、自分次第なのです。
上司からの愛のムチ
トヨタ自動車の豊田章男社長が、2019年1月に行ったスピーチがあります。
「皆さんは自分のために自分を磨き続けてください。トヨタの看板がなくても、外で勝負できるプロを目指してください」
これからのVUCA時代は、大きな組織の力に頼りっぱなしになるのではなく、個人でも勝負できるスキルを身につけなければ、生き残れないという豊田社長からの厳しいスピーチです。
この言葉には続きがあります。
「私たちマネージメントはプロになり、どこでも戦える実力をつけた皆さんが、それでもトヨタで働きたいと、心から思ってもらえる環境を作りあげていくために努力してまいります」
従業員にすべて求めのではなく、経営層にも自ら課題を突きつけています。
それは、生き残れるスキルを身につけた個人でも、働きたいと思ってもらえる様な組織を作り上げる事。終身雇用という日本の古き慣習にとらわれず、かといって従業員を突き放さない。経営層も従業員も一緒に変化していく事を掲げた上司としての姿は、これからの愛のある経営者にふさわしいと言えるのではないでしょうか。
最後に
これからの時代の上司には「愛」が求められます。
上司という立場や肩書きに甘えて、自分のことだけを考える事は「愛」ではありません。
信頼を得ようとする行動は、エゴであり「愛」ではありません。
「愛」を持って初めて「部下に信頼される上司」になれるのです。
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