PM理論から学ぶ4タイプのリーダー像

『「リーダー」と聞いて、どんな人をイメージしますか?』

日本の偉人では「織田信長」や「坂本龍馬」
現代ビジネスでは「孫正義」や「稲盛和夫」
海外では、Apple創業者の「スティーブ・ジョブズ」や
AmazonCEOの「ジェフ・ベソス」でしょうか。

これまで関わってきたリーダーや目指すべきリーダー、本やテレビで影響を受けたリーダーによって、イメージされるリーダー像は異なるかと思います。

世の中には様々なリーダーがいらっしゃいますが、
誰一人として同じリーダーはいないでしょう。

企業文化や、組織の状況、上下の関係性など何一つとして同じ環境は存在しないからです。

つまり、それぞれの環境に合ったリーダーが求められます。

『あなたの会社のリーダーはどんなタイプですか?』

今回は、機能から分類されるリーダーの4タイプを解説します。あなたの会社のリーダーはどのタイプに分類されるのか。育成したいリーダーはどのタイプか。今後のリーダー選出・育成の参考にしていただけると幸いです。

リーダーの役割とは

リーダーには様々な定義が存在します。

組織によってリーダー像は異なり、それぞれの環境に合った解釈がなされます。定義は環境の数だけ存在すると言っても過言ではありません。あえて定義するのであれば、汎用性が高く、抽象的にこの様な定義をします。

「未だ実現していない未来に導く人」

リーダーには、今いる場所から目指すべき場所へと人々を導き、変革を起こす事が求められるのです。

ビジネスにおけるリーダーの役割とは、「目標や成功・成果に向かい、組織を一体化させて牽引する事」を指します。

リーダーの役割は「登山」に例える事がよくあります。

登山から考えるリーダーの役割

登山でリーダーの役割を考えてみましょう。

 

 「なんで登山をするんですか??」

こんなことを思っているメンバーもいるかもしれません。

そのため、登山を開始する前に

・なぜ登山をするのか?

・なぜこの山を目指しているのか?

・この山を登ると、どういう未来が待っているのか?

をメンバーに伝える必要があります。
つまりビジョン設定と、ビジョンの共有ですね。

その後は、山頂までのルートは複数ありますので
まずはどのルートで進むか決める必要があります。
間違っても目指す山とは違う山へのルートを選択してはいけません。

緩やかだが、長いルートで進むのか。
急だが、短いルートで進むのか。
目標や期間、メンバーの特徴なども加味しながら決定・実行しなければなりません。

また「登りきる」と言う強い信念を持ち、チームを鼓舞し続ける事も重要です。

登山中には様々なことが起きます。
どこまで進んでいるのか、山頂まではどれくらいなのか現状を把握したり、メンバーの様子や体力にも気を配り、どのタイミングで休息をとるのか。コミュニケーションを取りながら行動する必要があります。

中には険しい道のりや、天気の急変など不測の事態が起きるかもしれません。
また、体調不良や怪我によってメンバー全員での登山が難しくなる様な、
緊急時でも迅速で最適な決断を下す必要があります。

様々な困難を乗り越えながら、メンバーを牽引して山頂を目指す様子は、
まさに組織で目標達成・事業成功を目指すリーダーの役割そのものなのです。

リーダーに必要な「機能」

登山において、「メンバーを導いて山頂を目指す」と言うビジョンはどのリーダーも同じ事でしょう。

ただし、リーダーには考え方の違いからなる「機能」があります。

ここでは、「PM理論」からリーダーの機能を考えてみたいと思います。

「PM理論」
PM理論とは、1966年に日本の社会心理学者、三隅二不二(みすみ じゅうじ)氏が提唱した理論。リーダーとリーダーシップは「P機能(Performance function)」と「M機能(Maintenance function)」の2つの能力要素で構成されているという考え方。

三隅氏は、グループ・ダイナミックス(集団力学)からリーダーシップの研究を進めました。その為、「リーダーが果たすべき役割=集団を発展させる事」と考えられています。

では、集団を発展する為に必要な機能とは何なのでしょうか。

その問いを突き詰めたどり着いたのが、「P機能・M機能」です。

P機能(目的達成機能)

P機能は、目的達成機能(Performance function)の事です。

組織の目標設定や計画立案、メンバーへの指示などによる生産性の向上、
目標を達成する機能の事を指します。

P機能の行動例

・納期を守る為に日々の進捗管理を徹底する
・効率的に業務を進める為にメンバーへ細かい指示をする
・メンバーの行動を管理し改善の指導をする

などが具体的な行動になります。

M機能(集団維持機能)

M機能は、集団維持機能(Maintenance function)の事です。

メンバー間の人間関係を良好に保つ事で集団のまとまりを維持し、
組織の雰囲気作りをする機能の事を指します。

M機能の行動例

・メンバーと個別面談を行う
・メンバーが積極的にコミュニケーションが取れる場を設ける
・組織内での人間関係のトラブル解決に関与する

などが具体的な行動になります。

機能別リーダーの4タイプ

リーダーのタイプは、P機能とM機能の2つの能力をどれだけ持っているかによって、4タイプに分類する事ができます。

PM型

P機能とM機能が共に高い「PM型」は、
両方の能力が備わっており、メンバーに対して目標を明確に示し、
目標達成ができると共に、組織をまとめる力もある「理想のリーダー」と言えるタイプです。

Pm型

P機能が高く、M機能が低い「Pm型」は、
メンバーに対して目標を明確に示し、成果をあげる事ができる反面、
組織をまとめる力が弱い「成果重視のリーダー」と言えるタイプです。

pM型

P機能が低く、M機能が高い「pM型」は、
組織をまとめる力が長けている反面、目標を達成する事ができず、
成果をあげる力が弱い「人間関係重視のリーダー」と言えるタイプです。

pm型

P機能もM機能も共に小さい「pm型」は、
両方の能力が乏しく、成果をあげられないと共に、
組織もまとめられず「リーダーにふさわしくない」と言えるタイプです。

まとめ

世の中には様々なリーダーがいらしゃいますが、誰一人として同じリーダーはいません。

しかし、PM理論に基づくリーダーの4タイプを見てみると、
あなたの会社のリーダーは必ず4タイプのどれかに当てはまるのではないでしょうか。

リーダーは、目的達成するP機能も
集団維持するM機能もバランス良く備わっている事が重要です。

『あなたの会社のリーダーはどのタイプですか?』

今後のリーダー選出・育成の参考にして見て下さい。

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