これらを解決するのが、自燃型人材の育成です。
自ら気づき、考え、決めて、行動する。環境変化が激しく、創造性が求められる現代では「自燃型」の人材育成が必要なのです。
この記事では、自燃型とは何かというところから、自燃型人材を増やす方法まで解説していきます。それではご覧下さい。
人材の3タイプ
組織の人材には3つのタイプが存在します。
- 「不燃型」
- 「可燃型」
- 「自燃型」
「うわ、あいつこのタイプだわ。。」
「自燃型の人間いねえ。。」
「自燃型ではないけど、可燃型ではあるな!」
など、自身の組織と照らし合わせながら見てみてくださいね。
それぞれ解説していきます。
①不燃型(ふねんがた)
不燃型は目標を持っておらず、人に言われても動かない燃えないタイプです。
不燃型の人材は、人に指示されたからやる、命令されたから行動します。何を目的に行動するのか、行動した先に何があるのか明確になっていません。つまり、目標を持っていない、あるいは目標が明確になっていない為、自ら行動することに消極的です。
日々の取り組みも適当になっているので、結果に結びつきづらい傾向にあります。
②可燃型(かねんがた)
可燃型は人から言われると、目標を持って動くことができるタイプです。
可燃型の人材は、人に言われてから行動します。
普段は目標を持っていなかったり、目標が明確になってなかったりする為、自ら行動することへは消極的ですが、人に言われると、目標を持ったり、目標を明確にして積極的な行動をします。
人から言われて真剣に取り組んだ結果、仕事を好きになれると自燃型に変わる人もいます。
ただ、目標を達成すると再度、行動が消極的になる人もいます。
③自燃型(じねんがた)
自燃型は目標を持って、自ら勝手にモチベーションを高めて動くタイプです。
自燃型の人材は、人から指示されたからやる、命令されたから行動するということではありません。人に言われる前に、自分から行動する積極的な人材が「自燃型」です。普段から明確な目標を持っており、積極的に行動をしています。
積極的な行動が責任感に繋がり、自分のやっていることが好きになるという「自燃性」を創りあげていきます。
日々真剣に取り組むことで、もっと結果を良くしたいと望んだり、もっと効率的に楽しくできる方法はないかと考えるなど、独創的に仕事に取り組む様になります。
リーダーの多くは、自燃型・着火型です。
番外編:着火型
着火型は自分だけではなく、誰かのやる気に火をつける事ができるタイプです。
リーダーが自燃型でも、部下がそうであるとは限りません。組織を活性化して行く際、自ら燃える事ができるリーダーは、誰かに火をつける事ができるかが重要になります。
経営者の多くは、この着火型の方が多いです。経営者に限らずリーダー陣が着火型であれば組織として万全と言えるでしょう。
それでは、どうすれば自燃型や着火型の人材が増えていくのでしょうか。そちらを順を追って説明いたします。
組織論2・6・2の法則について
ここまで紹介した「不燃型・可燃型・自燃型」3つのタイプの人材は、「2:6:2」の割合になると言われています。それが、「組織論2・6・2の法則」です。
「組織論2・6・2の法則」とは
組織は「20%のできる人」「60%の普通の人」「20%の物足りない人」で構成されるとした法則です。
人間だけでなく、アリでも「20%の懸命に働くアリ」「60%の普通に働くアリ」「20%の働かないアリ」で組織が構成されていると言われています。
◼️自燃型人材を増やす方法
①多数派を占める「可燃型の人材」の近くに「自燃型の人材」を配置する
スポーツを見て、手に汗かくほど興奮したことはありますか?
人間は、周りの「人間」に影響される生き物です。
「脳のミラーニューロン(モノマネ細胞)」
人間の脳内において、目にした行為をあたかも自分自身のものであるかの様に「共鳴する」運動神経細胞。
個人によって影響の大小はあるものの、人が涙を流しているのを見て泣いたり、スポーツを見て、汗かいたり興奮するのは、「脳のミラーニューロン(モノマネ細胞)」の影響と言われています。
つまり、「組織論2・6・2の法則」でいうところの組織の多数派「可燃型の人材」の周りに「自燃型の人材」が多ければ「自燃型の人材」が増え、
逆に「不燃型の人材」が多ければ「不燃型の人材」が増えるのです。
個人差はあるものの可燃型の人材は、近くに自燃型の人材がいると、影響を受け、意識が高揚しチャレンジ精神が湧いてきます。反対に、周りに不燃型の人材が多ければ、感化され意識レベルが低くくなりやすいのです。
自燃型の人材と、不燃型の人材は、その特徴から周囲からの影響を受けにくいです。人の影響を受けやすく、多数派の「可燃型の人材」がポイントなのです。
②主体的な行動を起こしやすい環境づくり
自ら目標を持ったり、明確な目標を設定するには、個人の主体性を大切にする環境づくりが必要です。しかし、個人の主体性を大切にすることは、「本人任せ」「現場任せ」という誤解を招くこともあります。
ここで重要なのは、経営者・リーダーが主体性をもって行動する事です。主体的に行動していないリーダーに「主体的に行動してね」と言われても誰も自ら行動しません。リーダーが主体性をもって行動している環境があるからこそ、主体性を大切にする組織と言えるのです。
- 将来キャリアの可能性や選択肢を明確に提示すること
- 指示・命令ではなく、本人たちの主体性を存分に活かせる活動の場を提供すること
- 経営者・リーダー自ら積極的に挑戦し、行動を起こすこと
特に、若手の時から主体的な行動を起こしやすい環境にいる事で人材育成が加速します。
③個人が挑戦したいテーマに取り組む
若手社員の研修では、モチベーションを高め「自燃型の人材」を増やすことを目的に、個人が挑戦したいテーマの発見・取り組みを行っています。
- 4~5人1組のグループに分け「会社の中で興味がある仕事」とそれに対する「やってみたい施策」を出し合います。
- グループで幅広く出し合い、その中から1つのテーマを決定します。
- そのテーマに沿って、お互いの考えをぶつけてディスカッションします。
- 最終的に導き出した1つの答えを、目に見える形でアウトプットしていきます。
若手社員たちが興味を持ち、挑戦したいテーマに本気で取り組めることで「自燃型の人材」へと近づいていくのです。
まとめ
組織の課題を解決するのが、自燃型人材の育成です。
自ら気づき、考え、決めて、行動する。環境変化が激しく、創造性が求められる現代では「自燃型」の人材育成が必要なのです。人材育成は、一朝一夕で進むものではないですが、今回紹介した3つの方法を参考にしていただければと思います。
組織が成長するかどうかは「自燃型の人材」が何人いるかで決まります。
会社のことを自分ごとで考えている社員は何人いますか?
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