女性リーダーを育成するには?4つの課題と3つの解決策

女性リーダーの育成は、これからの経営における重要なテーマです。

「女性の活躍支援」というスローガンや

2020302020年までに責任ある地位の女性を30%に)」
という政府の数値目標が掲げられ、

「女性管理職比率の増加」は、最重要テーマとなっています。

企業に対し、女性管理職の目標の設定と達成に向けた行動が強く求められています。

しかし、いざ行動を起こそうとすると、次のような課題もあります。

  • リーダーになりたい女性が少ない
  • 何から手をつけていいかわからない
  • 女性リーダーを輩出したが、後が続かない
  • 女性の活躍を推進する前に、まずは体制を整える必要がある

企業として女性リーダーの育成するには、どの様な課題があるのか。

成功する為の秘訣や心構えを解説いたします。

女性リーダー育成の課題

革新的変化にはいつも、大きな障壁があります。

特に女性リーダーの育成には、
女性自身の意識・企業の環境・組織内のイメージなど、課題が多くあります。

ここでは、4つの課題について解説していきます。

①女性自身がリーダー(管理職)になりたいと思っていない

女性にはキャリアの壁となる、3つの意識があります。

  1. 「先取り不安」
    これから起きる将来に対する、漠然とした不安や恐れ
  2. 「締め切り意識」
    自らタイムリミットを決め「子どもが出来るまで」「30歳まで」と短いスパンでキャリアを考える
  3. 「インポスター症候群」
    何かを達成しても、運がよかっただけ、たいした事ないと自分を過小評価してしまう心理状態

リーダに対する印象も
「長時間労働」や「過剰な業務負担」「重い責任」があると考え、


「リーダーにならなくても、現状のままで十分」

「リーダーに自分は向いていない」

といったネガティブ意識が働き、
リーダーになることへの魅力を感じにくい傾向にあります。

女性にはキャリアの壁があることを認識しましょう

②適切な人材の不足・育成に時間を要する・後が続かない

採用時からのコース別人事制度などによって、

・長期的なキャリアプランを視野に入れた育成をしてこなかった

・職種・経験が偏っている

などと、リーダー候補となる適切な人材が不足している企業は少なくありません。

これから育成を始めようとすると、
配置転換・昇進昇格など長期的な育成計画をたてる必要があり、時間を要します。

また継続的な育成をしてこなかった為、
ベテラン女性社員を数人リーダーに昇格しても、

次に続く人材が枯渇し、後が続かない状態となってしまいます。

長期的な女性リーダーの育成計画はありますか??

③ロールモデルの不在

リーダー層に女性がいない企業では、ロールモデルの不在が課題になります。

リーダー候補になった場合でも、「女性らしいリーダー像」がイメージしにくいと、
「私にはできない」と過小評価をしてしまう要因になります。

それを見た周りからは、
「意欲がない」「向いていない」というネガティブ評価を受けてしまうこともあります。

また、既存のリーダー像を周りから押し付けられると、
さらに「私にはできない!」と、アレルギー反応は一層強まってしまいます。

女性らしいリーダー像が社内で共有できていますか??

④ワークライフバランスの実現が難しい環境

女性のライフイベントは、男性に比べ複雑です。

働き盛りとなる30代では結婚・出産・育児等が重なり、
長時間労働・不規則労働が難しくなります。

ワークライフバランスの悩みは、多かれ少なかれ抱える事になるでしょう。

また、時短勤務・育児支援制度などに対する
職場・同僚の理解が得られないと、制度に甘えていると見られがちになります。

女性はワークライフバランスの実現が難しいことを理解しましょう

女性リーダーの育成 成功の秘訣

女性リーダーの育成に着手し、成功している企業には3つの共通点があります。

①女性リーダーが相談しやすい環境を整備する

まずはリーダーになる事への不安を払拭し、自信や意欲を高めることからスタートします。

女性は組織内外で人脈作りの機会が、男性よりも少ないと言われています。

そのため、

  • 女性同士のネットワーク強化
  • メンター制度など相談体制の充実

など、女性リーダー同士のネットワークを整備する事で、孤立しない仕組みをつくる事ができます。

また、メンター制度などによって組織内での相談体制が充実するとともに、
企業として、女性を育成・支援する姿勢を示すことができます。

②女性リーダーのキャリア開発に注力する

上司が女性リーダーのキャリア開発に責任を持ち、
定期的な面談など、密なコミュニケーションを心がけていますか??

実際にリーダーになった女性の多くは、
リーダーになった理由に「自分を育成してくれたリーダーの存在」をあげています。

女性リーダーの得意不得意を理解し、どの要素を伸ばしていくべきか、
明確な育成計画に基づいて、キャリアや成長についての適切なフィードバックを行います。

女性リーダーは、
女性が直面する壁や自己分析についての議論を通じて、成長の機会を得る事ができます。

そうすることで、
「自分らしいリーダー像」を描く事ができるのです。

③「働き方改革」に積極的に取組んでいる

「ダイバーシティ(働き方の多様性)推進」の一環として、
男女に関わらずメンバーの働きがい・働きやすさを促進する制度や環境作りに積極的に取り組でいますか??

特に、女性リーダーの育成には、
働く場所や働く時間、働き方を柔軟に捉え直す事が重要です。

育児や介護などのライフイベントを支える仕組みや、コミュニケーションの促進によって、
制約のある女性メンバーであっても、組織に貢献しながら持てる力を最大限発揮する事は十分可能です。

女性に今以上に活躍してもらうには、働き方改革と、それに伴うワークライフバランスの実現は不可欠なのです。

まとめ

女性リーダー育成を推進する上で、

リーダーになることに、ポジティブな印象をもてるように意識づけすることが重要です。

その為には、3つのポイントを理解しておく必要があります。

  1. 女性リーダーが相談しやすい環境を整備する
  2. 女性リーダーのキャリア開発に注力する
  3. 「働き方改革」に積極的に取組んでいる

経営者・会社・メンバーの理解とともに、
意識的に女性リーダー育成を行わない限り、
「女性管理職比率の増加」はあり得ないと言っても過言ではないでしょう。

女性の長期的・自律的キャリア意識を促すことは、女性リーダーを育てる第一歩です。
機会を与え、経験を積むことが、成長の原動力になります。

まずは女性が一歩踏み出す勇気をもって行動を起こさせる事が重要なのです。

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