こんにちは。
今回は、「リーダーシップを高める3つのスキル」をご紹介致します。
このテーマについて解説しようと思ったきっかけは、
筆者が先日、経営者の方からこんなご相談をいただいたからです。
「発言負けの環境」を作るリーダー
その経営者さんは、会社の中間管理職向けに「リーダーシップを高める為には、どうしたらいいのか」と言うテーマについて話し合い、意見交換する機会を作ったそうです。
いつも一緒に働いていない部署間で意見交流する事で、部署毎の考え方や価値観について、お互いが理解し、会社全体のチームワークを向上させる目的があったそうです。
実際に意見交換を始めたところ、話し合うグループ毎に意見交流の方法が様々でした。その様子を見た経営者の方は、それぞれのリーダータイプやリーダーシップの種類を垣間見る事ができた、とおっしゃていました。ただ、そのうち1つのグループは、全員が無言になっていたそうです。
そのグループを仕切っていたリーダーAさんは、成果を上げ続けるとても優秀なリーダーです。その場では「なぜ、リーダーシップを高める事ができないか」と言う「なぜ」を問いていました。その問いに対して、他のリーダー達は答える事ができず無言だったのですが、Aさんは全員が無言になっている中「リーダーシップ」について気持ちよく話し始めたそうです。
積極的に発言しないリーダー達もですが、それ以上にリーダーのAさんの事が気になったそうです。他の人が発言できない環境を作っているのではないか。またその環境を作っている事に気づいていないのではないか。というご相談でした。
確かに、思い返せば筆者も同じ様な経験があります。
あなたは、この様な「発言負けの環境」を経験した事ないでしょうか。
問いに対して誰も発言をせず、意見交流が活発化しない、発言したら負けの環境。ひいては、お互いの考え方や価値観も理解できず、チームワークも向上しない環境です。
リーダーシップを高める「3つのスキル」
普段のリーダーAさんは、リーダーシップを発揮して成果を上げています。その推進力によって部下からの信頼も集めていて、以前の記事で解説した「リーダーシップを執る為に必要なスキル」は、備わっている方です。
①リーダーに付き従うフォロワー(部下)が「信頼」している
②リーダーシップを資質でなく「仕事」と捉えている
③リーダーシップを特権や地位でなく「責任」と見ている
▼詳しくはこちら
「本当にリーダーシップを執れている?必要なスキルなど徹底解説」
そんな、リーダーAさんに必要なのは、今あるリーダーシップをさらに高めるスキルなのではないでしょうか。リーダーシップをさらに発揮する為には「示す力・聴く力・気づく力」の3つのスキルを理解し高める事が重要です。
それぞれのスキルについて、説明していきます。
①示す力
リーダーが組織に対して示すべきものは「経営の方向性」です。経営の方向性とは、ビジョン・目標・戦略の3つによって構成されています。
あなたの会社のビジョンから成る目標・戦略はどんな内容ですか?
「ビジョン」とは、組織として目指す姿や目的地などの事を指します。
組織として5年後、10年後に実現したい姿がビジョンに当たります。
そのビジョンを数字に落とし込んだものが「目標」です。
数字を組み込む事で、ビジョンという定性的な水準から、
定量的な水準へとより具体的にする事ができます。
そして、数字に落とし込んだ目標を達成する為に、道筋を描いたものが「戦略」です。
まずは自分たちが置かれている環境を認識する必要があります。
環境とは、会社や部署・クライアント・市場・経済・政治・社会など多岐に渡ります。
環境に合わせて目標達成の道筋を示す事が重要です。
まずは「示す力」を理解し実行する事が、
リーダーシップを高める1つ目のスキルになります。
②聴く力
次に「聴く力」です。リーダーが聴くべき声は「顧客の声・部下の声」の2つです。
まずは「顧客の声」についてです。
「顧客の声を聞く」と言うとどんな声を想像しますか?
会社の製品・サービスを利用するユーザーは、顧客です。
また、製品やサービスを生み出す取引先も顧客です。
まずは、自社の製品・サービスに対する顧客の不満を聞きましょう。
不満を放置しておくと、自社の製品・サービスを顧客が継続的に利用する事はないでしょう。顧客の不満を聞いて認識し、解消するよう行動する事が重要です。
ただ、不満が解消されれば、顧客満足度が高まる訳ではありません。
不満は、満足度がマイナス状態です。解消されても、マイナスが0になるだけです。
顧客の満足度が高まるという事は、0がプラスになるという事です。
「製品・サービスに期待する事を訊きましょう」
顧客満足度を高める為には、製品やサービスに対する顧客の期待を訊くことです。
期待とは、製品・サービスについて
「問題はないけど、もっとこうだったらいいなあ。」と思う事です。
その期待に応える事ができると、顧客満足度は向上します。
部下の想い
リーダーが聞くべき「部下の声」とは「部下の想い」です。
一人ひとりに「どんな仕事をしたいと思っているか」「目指しているのはどの様なキャリアか」「将来的にどんな仕事がしたいか」など「想い」を聞いてみましょう。様々な想いを抱えているはずです。もちろん、全ての想いに寄り添う事はできません。
ただ、部下の想いを知らない時よりも、仕事の振り分け方や、育成計画の立て方などで、部下の想いを反映させる事ができるかもしれません。
日々の業務の中では「想い」を聴ける機会は、多くないと思います。
部下は「リーダーは自分の能力を活かしきれていない」という不満を抱いている事も多いそうです。
リーダーが聴くべき声は「顧客の声と部下の声」と理解し、実践する事で今までになかった視点を持つことができるかもしれません。リーダーシップを高める2つ目のスキルになります。
③気づく力
「見落としに気づく・ギャップと不均衡に気づく・新しい価値の創造」の3つです。
見落としに気づく
リーダーといえども、1人の人間です。
物事を判断する時には、主観や先入観が入り見えていない部分が存在する事は大いにあります。特に、過去に経験しているような事は、無意識に判断をしてしまいがちです。
事実はどうなのか、現状はどうなのか。自らの判断にも疑いの目を持ち、客観的に判断できる事が大切です。すると、今まで自分が見落としていた事に気づくことができます。
ギャップと不均衡に気づく
成果をあげる為には、いわゆるPDCA(計画や仮説を立て、実際に行動し、振り返り改善し、再度実行に移す)サイクルが必要です。
仮説と実績のギャップに気付けるかどうか。
ギャップを小さくしていく事で、成果をあげるまでの期間を最短にする事ができます。
また、組織を集団として維持していく為には「経営・環境・メンバー」のバランスを均衡に保つ事が重要です。
とは言え、実際はバランスが崩れる事は大いにあります。
そんな時に、バランスの崩れに気づいて、改善を促す事がリーダーに重要なスキルです。
新しい価値の創造
「新しい」と言うと今までやった事がない事を始めるとイメージしがちですが、
反対に「やめてみる」事で、新しい価値を創造できる事があります。
今まで当たり前だった事がなくなると、真実や本質、価値を発見することができ、
そこから新しいやり方を創造できたりします。
また、「意図的に価値を変える」と言う方法があります。
例えば、「ポストイット」はとてもいい例です。
1度貼ると剥がれないくらい強力な糊を製造しようとしていた会社が、
その失敗作の中で、何度貼ってもはがせると言う特性を発見し、ポストイットが開発されました。
「貼っても剥がれる糊」と言う価値から「貼って剥がせる糊」と言う
新たな価値を創造する事で、新たな市場を開拓し、顧客を作る成果を上げました。
リーダーが気づくべきポイントは
「見落としに気づく・ギャップと不均衡に気づく・新しい価値を創造する」です。
この3つを理解し、実践する事で今までになかった視点を持つことができるかもしれません。
まとめ
今回は「リーダーシップをさらに発揮する為に必要な3つのスキル」について解説いたしました。
「示す力・聴く力・気づく力」の3つのスキルを理解し高める事が重要です。
リーダーシップが高まると、組織をより発展させる事ができます。
今回を機に改めて、組織を見返して見てください。
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