こんにちは。
「リーダーシップ」についてセミナーを開催すると、組織を牽引する役職者や上司だけが必要なスキルだと思っている方が多くいらっしゃいます。
リーダーシップには論者の数だけ定義があり、様々な解釈があります。
おおよそ「明確な目標とビジョンを掲げ、チームを組織し、
フォロワーの成果を最大化させる事によって、ビジョンを実現させる能力」と
解釈される事が多く、
組織をまとめる立場のビジネスパーソンだけに求められているスキルだと解釈される事が多い様に感じています。
確かに、目標やビジョンを掲げ、チームを組織する役割があるのはリーダーと呼ばれる立場にいる人だけです。しかし組織に所属する一般社員にも「リーダーシップ」が求められている時代になっています。
AIやIT技術の発達によって単純作業の自動化が進む現代において、これまで以上に人間の知的労働が重要になってきています。知的労働には、個人単位で行動管理し目標を達成する能力が必要ではないでしょうか。
「リーダーシップ」の本質は「行動目標・計画を設定し、改善を繰り返し、目標達成を実現させる事」です。つまり、組織の1人である一般社員にも、リーダーシップが求められている時代になっているのです。
全員が「リーダーシップ」を持った組織はどうなるか
リーダー1人だけが、リーダーシップを発揮しようとする組織よりも、全員がリーダーシップを発揮した組織では、成果の質を圧倒的に向上する事ができます。
なぜなら全員が主体的に、行動目標・計画を設定し、改善を繰り返し、目標達成を実現させようとしているからです。
それぞれの役割・持ち場で、メンバー全員のアイディアやスキルが発揮されると、
その集積はそのままチームの成果になります。
それは1人のカリスマが出すアイディアやスキルと比較すると歴然の差なのです。
目標達成にコミットするのではなく「成果の質」にもこだわる組織にするには、
メンバー全員がリーダーシップを持った状態をつくる必要があると捉えるべきなのです。
リーダーシップは身に付けられるスキル
これまでリーダーシップについては、
生まれ持った資質や先天的な才能から発揮されるという考えが主流でした。
しかし、近年ではリーダーシップは身に付けられるスキルだと考えられる様になってきています。
リーダーシップには様々な種類があり、
状況によって適切なスタンスが変わってくる場合があります。
その為、状況に合わせて柔軟に対応する為の基礎をしっかり作っておく事と、
組織を取り巻く環境がどの様に変化しているのかを常に把握しておく事が重要です。
もちろん他にも重要な事はたくさんありますが、
日頃から外的要因の変化を敏感に感じ取る事で、
緊急時における決断力と迅速に対応する行動力が必要不可欠です。
しかし、すぐにリーダーシップを身につける事は難しいです。
常に多種多様な物に興味を持ち、自分も組織も客観的に把握しておく事で、何が求められているのか状況に応じて判断する事ができます。
そうした日々の見極めが、リーダーシップを身に付ける上では重要なのです。
リーダーシップを執る為の具体的行動
リーダーシップ学の世界的権威である、ジョン・アデアが提唱する「行動中心型リーダーシップ」は、個人のリーダーシップスタイルとして広く活用されてきました。
このモデルは「仕事・組織・個人」に働きかける事が責務になっており、シンプルかつ、実用的なモデルとして30年以上に渡り多くの企業文化に溶け込んできました。
・仕事を遂行する
・組織を構成し、維持する
・個人の能力を開発する
これらの責務には、3つの欲求が存在しています。
・組織として団結したいという欲求
・個人が人間として組織に持ち込む欲求
これらの欲求は、一般社員でも満たす事ができる欲求であり、意識して取り組む事で、
組織を牽引する立場にいない一般社員でもリーダーシップを執る事ができるのです。
まとめ
初期のリーダーシップ論では「リーダーシップは先天的な性質」という考え方が主流であった為、身につける事が難しいとされてきました。しかしリーダーシップ論の研究が進むに連れて「個人の性質」よりも「実際の行動」に着目する様になり、より一般的な議論が可能になりました。
さらにリーダーシップ論の研究が進むと、個人の性質や行動のみならず、個人を取り巻く環境の影響が着目される様になりました。
現代、リーダーシップ論の研究では「絶対的に正しいリーダーシップ」は考えられていません。「優秀なリーダー」とされる人が、いつでもどんな状況においても「優秀である」とは限らないのです。
新型コロナウイルスによって、世界を取り巻く環境は大きく変わっています。
「強い者、賢い者が生き残るのではない、変化できる者が生き残るのだ。」と言うダーウィンの言葉があるように、臨機応変に対応できる者こそ、真のリーダーではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。