こんにちは。
部下の評価について、
大なり小なり頭を悩まされていることはありませんか??
近年、転職に対するハードルが下がった事もあり、
1つの企業に定年まで勤めようと考える人は減少傾向にあると言われています。
働き方の改革とともに、
仕事に対する価値観が大きく変化している中でも、
評価の方法は昔のままと言う企業は多いのではないでしょうか。
今回は、部下を評価する時に『絶対にやってはいけない』6つの事を紹介します。
もし心当たりのある項目がありましたら、
改善するアクションを想像しながら読んでいただければと思います。
評価の本質を理解する
評価する時に、絶対にやってはいけない事は
評価の本質を理解できていない事です。
評価の本質を事前に理解しておく事で、
これから紹介する「絶対にやってはいけない事」の理解がより進むはずです。
評価の本質は「社員の育成」です。
一般的に「評価」と言うと、
給与を正しく査定する為の短期的なものと捉えられる事が多いように感じます。
しかし、ボーナスや昇給など仕事ぶりを反映させる見方は、本質的ではありません。
評価には「経営方針に沿った目標を設定し、達成する事による会社全体の業績アップ」
「社員育成によって、長期視点で会社成長に繋げる」などの目的があります。
企業組織において、リーダーは評価を通して「部下を良く知り、成長をサポートする」
という長期的な捉え方をする必要があります。
評価を通して部下も「評価の視点・基準を理解する」ことが可能となります。
もう一度言います。
評価の本質とは「社員の育成」なのです。
絶対評価と相対評価
・「絶対評価」・・・特定の目標の達成度に基づいて評価する方法 ・「相対評価」・・・集団内での比較に基づいて評価する方法
近年の企業における評価では「絶対評価」を用いられる事が多くなっています。
絶対評価とは、
設定された目標をどの程度達成できたかによって評定を決定する評価方法です。
目標に対して達成度が高いと高評価がつき、未達成だと低評価がつきます。
他の社員との比較ではなく、評価基準に従って一人一人を客観的に評価するので、
周囲の成績に左右されることはありません。
透明性が高く評価される側が納得しやすかったり、社員のモチベーションアップや社員の成長に繋がりやすいのが特徴です。
ここで注意すべきなのは、絶対評価には、評価者であるリーダーによって違いが出てしまう「評価エラー」と呼ばれるものが存在する事です。
主に序列で評価する相対評価とは異なり、評価者の力量が問われるエラーとも言えます。
評価エラーによる不公平な評価と処遇は部下に不満をもたらし、
評価の目的を達成することが困難となります。
エラーが起きる事を理解し「判断は公平か。誤りはないか」と意識することが重要です。
絶対にやってはいけない6つの事
では、ここから部下を評価する時に
『絶対にやってはいけない』6つの事について解説していきます。
①個人に対する非難や批判
個人に対する非難や批判は、絶対にやってはいけません。
非難や批判などのネガティブな内容は、部下がただストレスを溜め込むだけであり
「上司と部下の関係性をより良くする事」には決して繋がりません。
・君は今の仕事に向いていない
・君の行動が組織の輪を乱している
などは、部下の成長をサポートする評価とは言えません。
さらに、この様な評価によって上司に対する恐怖心を芽生えさせると、
部下は「余計な事をして怒られたくない」と考える様になります。
結果的に、部下の自主性が育たなくなってしまうのです。
最悪な場合「失敗の隠蔽」を引き起こしてしまう事になります。
リーダーに対して、不満や不信感があると部下と意思疎通が取れなくなり
「報連相のない組織」になります。
結果として、業務上のミスやトラブルが発生する可能性が高まり、
生産性低下の要因に繋がってしまいます。
②頼まれてないアドバイスをする
頼まれていないアドバイスは、絶対にやってはいけません。
頼まれてもいないアドバイスをしてしまうと、
かえって部下の信頼を失い、相談相手として選ばれなくなる可能性があり
「社員の育成」には決して繋がりません。
・俺これやっていたから、君もやってみな
・ここもっとこうやった方がいいんじゃない
部下の指導は、リーダーの大事な仕事の1つです。部下の事を思うと、
あれこれアドバイスをしたくなりますが、言いたい事を伝えるだけではいけません。
リーダーがアドバイスする「仕事のやり方・仕事のスタイル・仕事の流儀」は、
部下にとってはベストではない事がほとんどです。
本人のとっての「最適解」は、本人が試行錯誤して掴むしかないのです。
アドバイスをする前に、まずは部下がどのような悩みや困難を抱えているのかを理解し、
相手のネガティブな気持ちを汲み取ってあげる必要があるのです。
相手の気持ちが理解できれば、
独りよがりのアドバイスをして、部下からの信頼を失うリスクは減るでしょう。
③「モヤモヤしたYES」の強要
「モヤモヤしたYES」の強要は、絶対にやってはいけません。
部下が納得していない内にむりやり同意を求める事は、
自主性を阻害してしまうだけでなく、意思疎通を阻害してしまいます。
「社員の育成」には決して繋がりません。
・俺の言った事がわかったな?
・ただ言われたことをやっておけばいいんだ
など、評価後の部下へ呼びかけてしまっていませんか??
この時に部下はどの様な反応をしているでしょうか。
・そうですね。多分、大丈夫です。。。
・とりあえず、やってみます。。。
ビジネスにおいて、感情や気持ちは不要と考えているリーダーも
いらっしゃるかもしれませんが、それは誤りです。
人は直面している問題が解決されても、
気持ちの問題が解決されない限り、問題が解決したとは感じません。
部下からモヤモヤした返事がきたら、
(文言的には)YESであったとしても一旦立ち止まり、中身を深掘りしてみましょう。
きちんと意図が伝わっていなかったことが発覚したり、
お互いの勘違いや的外れな意見を解消する事ができるでしょう。
曖昧な返事が来たら立ち止まり、意思疎通をしましょう!!
④感情を持ち出して説教
感情を持ち出しての説教は、絶対にやってはいけません。
感情的な説教は、かえって部下のモチベーションを低下させるだけではなく、
部下との敵対関係を助長する事になり
「社員の育成」には決して繋がりません。
・自分の時代はもっと厳しかったのに、今は緩すぎる
・新入社員なのだから、人の10倍やれよ
リーダーと言う立場を「権力」と考えてしまったり、自分の「能力」だと勘違いしていると
部下に対して、傲慢で上から目線の態度で接してしまいます。
評価においても感情を持ち出して、説教する事に繋がってしまいます。
経験やキャリアを積んだ事で得た「リーダー」と、
まだこれから育っていく「部下」とを比べると至らない部分もあるでしょう。
これに対して感情的に説教をしてしまうと、
部下はリーダーの敵だと考え、心を開いてくれることはないです。
⑤リーダー自身の推察
リーダー自身の推察のみで評価する事は、絶対にやってはいけません。
リーダーの価値観や経験のみから推察した評価は、マネージメントではなく脅迫や洗脳です。
事実確認を怠った評価は、部下からすれば到底受け入れる事ができない評価であり
「社員の育成」には決して繋がりません。
・それは多分、こうじゃない?
・そのやり方は、うまく行かないよ。
などの事実に基づかない評価は、
・自分の価値観を押し付け、異論は認めないリーダー
・部下の考えを一蹴し、受け入れないリーダー
・自分の価値観から導き出される「型」にハメようとするリーダー
と部下は感じます。
人は「自分の考えを受け入れない・認めようとしない人」に対して、
反発的な感情を持ちます。
人によって価値観が違うのは、当然の事でありリーダーと部下と言う年齢や経験が違えば
その価値観のズレは大きくなるでしょう。
まずは、人間の「価値観の違い」を認識し、
部下とどうやって関係性をより良くして行くかと言う部分にフォーカスする事が重要です。
⑥決めつけで評価する
決めつけで評価する事は、絶対にやってはいけません。
リーダーが勝手に部下の事を決めつける事はモチベーションを低下させます。
評価は建設的な意見や行動目標を立てる事が重要であり
「社員の育成」に繋げなければなりません。
・しっかり考えずにやるから、うまく行かないのだ
・失敗したのは、本気を出してないからだ
この様な評価の根底にあるのは、リーダー自身の「承認欲求」です。
自分の正しさを認めさせたり、リーダーとしての威厳を保つ為、
リーダーとして凄いと褒めて欲しいと言う欲求が存在しています。
リーダーとは、部下を承認してあげる立場の人間です。
結果論だけを語り、決めつけで「承認欲求」を満たすのではなく、
仕事で結果を出し続け「背中」で語ればいいのです。
最後に
今回は、部下を評価する時に
『絶対にやってはいけない』6つの事と言うテーマでお話してきました。
仕事に対する価値観が大きく変化している中で、
評価方法についての認識が昔のままのリーダーは多いと感じます。
何かヒントになれば幸いです。
あなたが人材育成に悩まれているなら、社員を研修に送り出すのも一つです。27,000人以上の人材育成をしてきた講師による無料セミナーはこちら。