マグレガーのX理論Y理論とは?モチベーションアップの理論を解説

以前、マズローの5段階欲求について解説させていただきました。

マズローの5段階欲求についての記事はこちら

マネジメントにおいては、部下の欲求がどういうものかを理解することで
モチベーション管理などにも繋がりやすくなります。

今回は、マズローの5段階欲求を基に、人の働き方や性格に対する考え方を二種類に分けた「マクレガーのX理論とY理論(XY理論)」を解説していきます。

チームのメンバーのモチベーション管理にも活用できる理論ですので、参考に読んでいただければ幸いです。

X理論Y理論(XY理論)とは?

X理論Y理論(XY理論)とは、

X=怠惰Y=勤勉 という、2つの人間観を対立的に説明した理論です。

マズローの欲求段階説を基に、1950年代後半にアメリカの心理学者ダグラス・マクレガー氏によって提唱されました。

X理論とは?伝統的経営管理


X理論とは「人間は生まれながら怠け者」という、性悪説にもとづいた理論です。

ダグラス・マクレガー氏は、X理論の人間観を下記の様に説明しています。

・本来人間は仕事が嫌いで、できれば仕事をしたくない
・強制されたり命令されなければ仕事をしない
・指示されての仕事を好み、責任を取りたがらない

マズローの欲求段階説で言うと
「生理的欲求」や「安全の欲求」などの、低次欲求を多く持つ人間の行動モデルです。

命令や強制で管理し、目標が達成出来なければ処罰といった
「アメとムチ」によるマネジメント手法になっています。

例えば、肉体労働が必要な現場、機密情報を扱う仕事など、
個人の自主性に任せた管理ではリスクが大きい場合に有効です。

X型組織では、厳密なルール運用によるマネジメントが効果的です。

Y理論の意味や定義とは?新しい人間観とシステム

Y理論とは「人は条件次第で目標達成に取り組み、自ら進んで責任を取ろうとする」という、性善説にもとづいた理論です。

ダグラス・マクレガー氏は、Y理論の人間観を下記の様に説明しています。

・人間は仕事が嫌いと言う訳ではない
・魅力的な目標ならば、自発的に動く
・人間は条件次第で、自ら責任を取ろうとする

マズローの欲求段階説で言うと
「社会的欲求」や「自己実現欲求」などの高次欲求を多く持つ人間の行動モデルです。

魅力ある目標と責任を与え続けることによって、従業員を動かしていく。
つまり「機会を与える」マネジメント手法になっています。

例えば、スタートアップ企業の社員は休みも取らずに、自ら働き続けます。

この様に、企業の目標と社員一人ひとりの目標が共有・共通しており、
目標達成に向かって社員一人一人が能動的に動いている場合に有効です。

Y型の組織では、企業の目標と社員の目標が統合されており、社員は絶えず自発的に自分の能力や知識、技術や手段を高め、企業の繁栄に尽くそうとしています。

Z理論の誕生!その背景は?

1950年代に「XY理論」が提唱されてから20年以上経ったのち、
アメリカの経済学者ウィリアム・オオウチ氏が「Z理論」を提唱しました。

「Z理論」とは「平等で親密」と言う、XY理論の良いところピックアップした理論です。

温かな雰囲気が個人を動かし、細かく監視しなくても自発的に行動するとしています。

企業としての体制が整っていれば、社員のモチベーションは自然と上がるとしています。

メンバーのモチベーションを上げるためには、
会社の社風やメンバー一人ひとりの価値観に合わせて、
適切なマネジメント手法をとる必要があるのです。

Z型組織には、レベルの高いやる気や忠誠心といった、
組織とメンバーの信頼関係が必要不可欠です。

仕事に対するやる気も、組織に対する忠誠心も無い社員の自主性に任せた組織運営では、
当然ながら企業は成り立ちません。

まとめ


X理論に基づく「人は本来仕事をしたくない怠け者」という考え方と、
Y理論に基づく「人は条件次第で目標達成に取り組み、自ら進んで責任を取ろうとする」という考え方を理解しておくことは、組織運営を円滑にする為には必要不可欠です。

組織の状態やビジョンによって
X型組織かY型組織、Z型組織を目指すべきなのかは変わってきます。

組織の中には、実際、お金のために仕方なく働いている人がいる事も事実です。

そんな人たちに自発的に仕事をしてもらおうと試みても、かえってモチベーションが下がってしまう可能性もあります。

組織のメンバーの性格や価値観を認識し、
それぞれに合わせて「X理論・Y理論・Z理論」のどのような、マネジメントが適しているのかを考える様にしましょう。

どの理論が優れているかではなく、リーダーや部下とコミュニケーションをとりながら、状況に応じて使い分けることが大切です。

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